照ノ富士が不退転の決意「自分との闘い」 左脇腹痛による稽古不足も強行出場 夏場所12日初日
大相撲夏場所の初日を翌日に控えた11日、会場の東京・両国国技館で土俵祭りが営まれ、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)や審判部の親方らが15日間の安全を祈願した。力士は出席せず、ファン約500人が見守った。土俵祭り後には優勝額贈呈式が行われ、1月の初場所覇者で先場所は途中休場した横綱照ノ富士(32)が出席。左脇腹痛で本格的な稽古を積めていない中、不退転の覚悟で臨む。 厳しい表情で優勝額贈呈式を終えた照ノ富士は、短い言葉に不退転の決意を込めた。 「自分との闘い」。初場所で9度目の優勝を飾ったが、続く春場所は腰痛が悪化して7日目から途中休場。春巡業の途中から相撲を取り始めたものの、今月2日の横綱審議委員会による稽古総見で左脇腹を痛め、その後は相撲を取る稽古を再開できなかった。 〝強行出場〟にも、本人は「大丈夫」ときっぱり。「できることを精いっぱいやる気持ちです」と力を込めた。国技館に自身の優勝額が9枚飾られる今場所。長年の目標である2桁優勝は目前だ。 「それがかなえられれば一番いい」。初日は新入幕から2場所連続で11勝を挙げた23歳の新小結大の里の挑戦を受ける。若手が台頭する中、32歳の一人横綱は主役の座を譲りはしない。(月僧正弥) ★尊富士は欠席 3月の春場所で110年ぶりの新入幕優勝を遂げた尊富士は、右足首負傷で今場所休場のため優勝額贈呈式を欠席。師匠の伊勢ケ浜親方が代理で出席した。初場所を制した尊富士の兄弟子の照ノ富士は「親方と並んで(出席した)というのはうれしい気持ちです」と誇らしげな表情を浮かべた。