「バッドウオーター135」 米の世界一過酷なフットレース
デスバレー国立公園、カリフォルニア州、7月24日 (AP) ― ほぼ満月の月明かりを部分的に遮るような暴風雨の中、97人のランナーが7月22日深夜、荒涼としたデスバレーを駆け抜ける、世界で最も過酷なフットレースと称される48時間ウルトラマラソン、「バッドウオーター135」のスタートを切った。 世界21カ国と国内26州から集まった、19歳から69歳までの男女ランナーが、猛暑警報が出る中を走った。 日中の最高気温48.8℃、夜間の最高気温37.7℃の中、ランナーは190号線の路肩を走り、「ファーナス・クリーク」「デビルズ・ゴルフコース」「デビルズ・コーンフィールド」といった場所を通過していく。 1987年に始まったウルトラマラソンは、例年デスバレー国立公園の気温が最も高い7月中旬に開催される。今月は9日連続で、51.6℃かそれ以上を記録するなど、記録的な暑さが続いている。 今年のレーススタート時の気温は、深夜にもかかわらず42.2℃だった。 主催者によると、これまでのレースで死者が出たことはないが、数人が病院に搬送されたことはあるという。 レースのスタートは、北米で最も海抜が低いマイナス86メートルのバッドウォーター・ベイスンで、ゴールは反対に標高2530メートル、カリフォルニア州のホイットニー山への登山口となるホイットニー・ポータルだ。 この世界一過酷なレースは招待制で、過去3年間に160キロかそれ以上のウルトラマラソンの経験者100人に限定されており、他のランナーにもチャンスを与えるため、毎年3分の1だけがリピーターとして参加できる。 現在の最速記録は、男子の部では、2023年に徳島県生まれの石川佳彦さん(31)がマークした21時間22分01秒。女子の部では、同じ2023年に、アシュレー・ポールソンさん(41)が記録した21時間44分35秒。 (日本語翻訳・編集 アフロ)