『マッドマックス:フュリオサ』クマのぬいぐるみは前田真宏が提案したものだった!ディメンタス将軍の知られざる設定秘話
映画『マッドマックス:フュリオサ』に登場するヴィラン・ディメンタス将軍(クリス・ヘムズワース)が劇中で身につけているクマのぬいぐるみは、「additional story contributor」として同作に参加した日本人アニメーター・前田真宏の提案によるものだ。メールインタビューに応じた前田が、知られざる設定秘話を語った。 【画像】『マッドマックス』でも共演したクリス・ヘムズワース&エルサ・パタキ夫婦 前田は、前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)でコンセプトアート&デザインを担当。もともと『マッドマックス:フュリオサ』は『怒りのデス・ロード』と同時公開のアニメ映画として企画が進んでおり、ジョージ・ミラー監督らと共にシナリオやデザイン開発も並行して行われていた。アニメ映画は実現しなかったが、前田がデザインしたキャラクターのイメージなどは、実写映画として完成した『フュリオサ』に踏襲されている。
主人公フュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)の宿敵であるディメンタスは、無数のバイカーを従える荒野の略奪者。前田によると、当初は現在のイメージとは異なるキャラクター設定で「Dr.ディメンタス」と呼称されていたという。「最初彼のキャラクターは元お医者さん、と聞かされていて『Dr.ディメンタス』だったんです。なのでもっと神経質な、悲しみと苦しみで狂ってしまったインテリと考えて、あまり筋肉質ではない、むしろ中性的な姿を提案していました」
「力で野盗どもを従えるのではなく、頭脳と謎めいたトリックスター的魅力でワルどもを惹きつけてゆく、そんなキャラクターをイメージしていました。なのでクリスさんの役づくりは意外でした」
ディメンタスが大事にしているクマのぬいぐるみは、前田が提案したものであり、「ちゃんとテディを持っていてくれて、嬉しかったです。ディメンタスの内側へ向かう狂気の対象として提案しました」と証言。「ずっと意味不明なことをブツブツと『対話している』という風に使えないかなと。場面によっては彼の代わりに『喋って』もいいかな、とか」と設定案を明かした。