松山ケンイチ、東京と田舎の二拠点生活で得た学び 「僕たちが生き残るために」
祖父母が農業を営み、子どもの頃は週末に畑仕事を手伝いながら遊んでいたという松山さん。農業を軸としながらいくつも違う仕事をこなし、さまざまな技術を持ち、“生きる能力”にたけた祖父の姿や生き方は憧れだったといいます。今の生活スタイルの核は、祖父の影響を受けてできたそうです。 ――二拠点生活のうち、田舎ではどのような暮らし・活動をされているのでしょうか? momijiは皮のアップサイクルから始まりましたが、まだまだたくさんの資源を活用し切れていない現実があります。僕たちはその資源を活用できるように日々考えています。それは人を活かすことを考えるのと同じことで、まだまだ眠っている資源は人の中にもあり、その活かし方はアートだけではなく、視野を広げて衣食住それぞれの分野で考えていく必要があります。食は一次産業、二次産業の分野で何ができるのか、住は生活空間の中にmomijiはどんな人とどんなモノを作り、お客様の生活の一部になれるのか探っています。
■活動がスタートしてから約2年 反響は?
活動がスタートしてから約2年。momijiはこれまで、東京、京都、福岡など各地でポップアップイベントを開催してきました。今月1日には、新たに東京・銀座のWAKO SITE GINZAでポップストアがオープン(~2月28日)。日本の伝統工芸である南部裂織、加賀蒔絵、金唐革などの職人たちとのコラボレーションによるアイテムもラインアップされています。
――プロジェクトがスタートして約2年ですが、反響はいかがですか? おかげさまで多くの方に支えられて、ご賛同いただき、販売が全国に広がっていきました。 ――今回、日本の伝統工芸にも注目された理由は? 伝統工芸は年々活躍の場が、さまざまな最先端技術によって少なくなりつつあります。失われていくモノは今までもたくさんありましたが、作品として残していくことも重要だと考えています。作品を通して、職人の生き方や学びも残せたらと思い、企画しました。全国各地の伝統的な美術や工芸とコラボレーションしていきたいです。
■「僕たちが生き残るためには…」自然環境に対するアンテナを張り続ける
――この活動を通してどんなことを伝えていきたいですか? さまざまな特性を持つ人々、そしてさまざまな命がある自然界。目では見えない相互関係があり、データ化、数値化できないモノがたくさんありますが、僕たちが生き残るためには、他人である誰かの力、自然の資源が必要です。僕も意識していますが、自然環境に対するアンテナを張り続けることで、関わるモノ、人を大切にする力が自分自身の人生、感性を豊かにするということを伝えたいです。