【清水】静岡対決制し前半戦首位ターン「3倍の力出させてくれる」ホーム不敗記録9試合に更新
<明治安田J2:清水1-0藤枝>◇第19節◇8日◇アイスタ 清水と藤枝の県勢対決は、清水に軍配が上がった。0-0で迎えた後半22分、FW北川航也(27)が右足で先制点。先日、第2子となる長女が誕生したエースは自らの足で祝砲をあげた。チームは2試合ぶりの白星を挙げ、今季ホームでの不敗記録を9試合に更新。前半戦を14勝1分け4敗と大きく勝ち越し、「首位ターン」を決めた。藤枝は無得点で3試合ぶりの黒星となった。 【写真】ゴールを決め、「ゆりかごダンス」を披露する北川ら ◇ ◇ ◇ 前半戦ラストマッチにふさわしい完勝だった。清水は北川が挙げた1点を守り切り、完封勝利。僅差だったが、スコア以上の差を見せつけた。この日は今季ホーム最多1万7707人が来場。決勝点を挙げたアカデミー出身の主将は「みなさんの声援の力で勝ち点3を取ることができた」。試合後は勝利後恒例となっているサポーターとの「勝ちロコ」を踊りながら会心の笑みを浮かべた。 流れるような1発だった。後半22分、自陣でDF山原怜音(25)がボールを回収。1本のパスで相手のDFラインを崩した。MF乾貴士(36)がドリブルで中央に進入すると、北川にラストパス。ボールを受けたエースは「流し込むだけだった」と右足でゴール左隅に転がした。今季9点目が値千金の決勝点。ゴールへの思いは誰よりも強かった。 先日、第2子となる長女が誕生。出産にも立ち会い、家族の大切さを再認識した。「ピッチで戦えているのは家族の支えがあるから」。2児の父親となって迎えた初のリーグ戦で宣言通りの1発。ゴール後はチームメートと「ゆりかごダンス」を披露した。 リーグ前半戦19試合を終え、14勝1分け4敗と大きく勝ち越した。ホームでは9戦無敗(8勝1分け)。秋葉忠宏監督(48)は「(アイスタは)いつもの2倍、3倍の力を出させてくれるスタジアム。頼もしいサポーター、ファミリーの存在は大きい」と感謝の言葉を並べた。 昨季はJ1昇格プレーオフで敗れ、昇格を逃した。リーグ戦でも勝ち点1に泣き、4位。悔しい経験が今季の原動力になっている。北川は「首位は自信になるし、弾みになる。ただ、まだまだ満足できない。これからもみなさんと一緒に戦っていきたい」。首位ターンは通過点。残りの19試合もトップに立ち続け、いるべき場所に戻る。【神谷亮磨】