武井咲、“悪女=ダークヒロイン”として3年ぶり帰還 『顔』で後藤久美子と異色の演技対決
共演は30年ぶりにテレビドラマに復帰する後藤久美子
あれからちょうど3年。つまり立て続けに武井は松本清張作品で“悪女=ダークヒロイン”を演じることになる。3年は大きなブランクともいえるが、むしろ新鮮な気持ちで迎え入れられるのではないだろうか。それに本作の注目ポイントはこれだけではない。今回はW主演。聖良を追い詰める弁護士・石岡弓子を演じるのは、なんとあの後藤久美子である。 後藤がテレビドラマの世界に帰ってくるのは、1994年放送の『誰よりも君のこと』(テレビ朝日系)から30年ぶりのこと。2019年に『男はつらいよ お帰り 寅さん』で俳優業に復帰したが、かなりのブランクがあったからか、はたまた現在の彼女の生活拠点が日本ではないからか、非常に演技が異質だった。これはもちろんネガティブな意味ではない(劇中で彼女が演じる「イズミ」も海外で生活をしている)。後藤は俳優業から離れていたのだから、演じることを生業とする者たちとはまったく別の文脈をたどり、同作の世界観の中に存在していたのだ。これは『顔』でも大きな強みとなるだろう。 これに武井はどう立ち向かうのか。一風変わった演技対決が繰り広げられるのは間違いない。そしてこれは、2024年のエンタメシーンを語るうえでの重要作品になることも間違いない。“悪女=ダークヒロイン”の帰還を祝いつつ、その行く末を心して見届けたい。
折田侑駿