多様化する中学受験…実施校が爆増した「新タイプ入試」「英語入試」に受かるのはどんな子か
2024年の首都圏中学入試の受験者数は5万2400人。2015年から9年連続その数を増やしてきましたが、2023年から200人減となりました。しかし、受験率は前年より0.26%増の18.12%と、首都圏の小学校の児童数は6000人弱減っているのにもかかわらず、中学受験をする児童は増えたということです。 【画像】横浜創英中学校のコンピテンシー入試、当日の様子 今後も児童数は減っていきますが、東京都に限ればむしろ増えていて、そのことが首都圏の中学入試に今後どう影響するのか、業界の人たちの間では意見が分かれているところです。
◆中学入試を取り巻く状況に変化
少しでも偏差値の高い学校を目指して、最難関校に多数の合格実績を出す大手受験塾に通い、ガッツリ受験に取り組む層は依然として存在します。これらの人たちの中には、大手塾だけで完結せず、そこの授業についていくために、さらに個別塾や家庭教師も利用する例も多いのです。実際港区在住で大手塾に通い、今年御三家の1つに合格をした子を持つ親は、「その教室では特に6年生になってから併用は当たり前だった」と明かします。 もちろん多くの子は、1つの塾で完結しているのですが、裾野の広がりとともに、昨年度は中堅校といわれる学校の受験者数が増えて、なかなか合格がもらえないという状況が生まれました。 あるベテラン塾講師は、「複数回受験を行う学校が増えたため、日程によって難易度も異なり、これまでなら合格できた子が合格できず、読みにくくなった」と言います。実際、同じ学校を受け続けて全敗になったケース、偏差値を下げてもなかなか合格が出ず4日目でやっと合格したというケースも多かったそうです。 そんな中、前回の記事でも触れたように、中学受験への意識は多様化しています。 偏差値重視ではなく、わが子にあった学校を選びたいという層や、公立中高一貫校との併願や新タイプ入試も活用して中学受験をする層、志望校に行けなかったら公立でいいと割り切っているライトな受験をする層など、受験に対する意識も多様になっているのです。このように裾野が広がっていることが、受験者数を増やしている要因ともいえるでしょう。 実際、筆者の周囲では、塾には通っているけれど、偏差値重視ではなくわが子にあった学校を選びたいという人も多く、その中で2科目受験と新タイプ入試といわれる受験を併用し、新タイプ入試で合格をもらったというケースがありました。 そこで今回は、新タイプ入試について深掘りしていきしましょう。