”カネロ戦”熱望する無敗のKO86%べナビデスが真価問われる一戦、対するは元王者でカネロのスパーリングパートナー
6月16日(日、現地時間15日)米ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナにて行われるプロボクシング[WBC世界ライトヘビー級暫定王座決定戦]として、元WBC世界同級王者オレクサンダー・グボジーク(37=ウクライナ)に、元WBC世界スーパーミドル級王者で現スーパーミドル級暫定王者デビッド・ベナビデス(27=アメリカ)が2階級制覇を狙い激突する。 階級を上げ挑むべナビデスは身長188cmの長身から繰り出すパワーショットで28勝(24KO)無敗。KO率は86%だ。 この試合前にも、スーパーミドル級統一王者サウル”カネロ”アルバレスへ対戦要求を続けているが、グボジークはカネロの元スパーリングパートナー、その真価が問われる。 【フォト・動画】べナビデス、相手がリングから飛び出る豪快KO!グボジークが”一撃”失神KO! べナビデスはアグレッシブな”メキシコの怪物”。近年スーパーミドル級で戦ってきたが、今回はキャリア初期以来のライトヘビー級に階級を上げ、いきなり暫定王座戦となる。 相手のグボジークは、五輪銅メダリストで、かつてWBCライトヘビー級の絶対王者に衝撃KO勝利したベテランだ。戦績も20勝(16KO)1敗と80%の高いKO率を持つ。 しかしべナビデスは今回の試合前も、様々なインタビューで、長年熱望しているカネロとの試合をアピールし続けている。 べナビデスは「カネロと戦うチャンスがまだ無いので、今はスーパーミドルで戦う意味はない。ライトヘビー級を制覇し、それからスーパーミドル級を制覇する」と、カネロ戦前に階級上のライトヘビー級で戴冠するつもりだと言う。 さらに今回の試合で2階級目の暫定王座を獲った後は「今年10月に予定されている(ライトヘビー級統一戦の)[ビボルvsベテルビエフ]の勝者と戦う立場になる、楽しみにしている」と、ライトヘビー級の統一も視野に入れている。 そんなキャリアアップの大事な試合には「土曜日はKOを狙う」とKOで決めるつもりだ。 一方のグボジークは、19年にベテルビエフと戦って以来約3年、引退状態に。復帰のきっかけとなったのは”カネロとのスパーリング”だったと言う。 グボジークは22年、カネロのビボル戦に向けてのスパーリングパートナーに抜擢され「カネロとのスパーのおかげで、かなり良い結果を残し、カネロも復帰をサポートしてくれた。彼のキャンプに一緒に付き合い、最初は大変だったけど、まともなコンディションに戻れた」とカネロとの出会いが復帰のきっかけだったと言う。 そして昨年2月に復帰すると、3連勝(2KO)している。 グボジークは「今回20Rを戦うつもりでトレーニングしている。彼が私を過小評価してくれていたら嬉しい。厳しい戦いの中で、花火が上がるだろう」と下馬評を覆すつもりだ。 べナビデスは2階級制覇し、カネロ戦へ付加価値をつけることが出来るのか、それともグボジークが野望を打ち砕くのか。 ◆べナビデスは16歳でライトヘビー級でデビュー。その後階級を落とし、17年にはWBCスーパーミドル級王座を獲得した。 しかしコカイン使用により王座を剥奪され、19年に同王座に返り咲くも、今度は体重超過により再び剥奪された。その後同暫定王者を獲得した。 戦績は28勝(24KO)無敗。アグレッシブなスタイルとそのパワーから、メキシカン・モンスターという異名をマイク・タイソンから授かる。 ◆グボジークはロンドン五輪銅、13年にプロデビューすると、16年にWBCライトヘビー級の絶対王者アドニス・スティーブンソンをKOし王座に就いた。 19年、IBF同級王者アルトゥール・ベテルビエフと、無敗同士の統一戦を行うも10R KO負け。その後約3年間引退状態にあったが、昨年復帰し3連勝で復活している。 戦績は20勝(16KO)1敗。ロマチェンコやウシクと共に”ウクライナの黄金世代”と呼ばれる。