「もうタレントの価値はないのかな」『あっぱれさんま大先生』のかなちゃんは脱ぐ仕事を打診されて芸能界を引退
当時の私はレギュラー番組も終わって、仕事は下降傾向。事務所としては話題性があるうちに、商品としてなんとかしたいと思ったのでしょうね。「1本でいいから!絶対売れるから!」と、強く言われました。
■ショックで引退「すぐに結婚もしたんですが…」 ── きっと、「『あっぱれさんま大先生』のかなちゃんが…」みたいなタイトルで売ろうというもくろみがあったのでしょうね…。 中武さん:まさしくそうでした。ちょうど事務所がゴタゴタしている時期で、急にマネージャーと連絡が取れなくなって番組の収録を飛ばすトラブルも発生。さすがに「もうムリだな」と思って芸能界をやめました。
── 芸能界の引退を決断するほどだったんですね。 中武さん:「私はもうタレントして価値がないと判断されたんだ、落ちぶれたんだ」と思って、そんな自分を情けないと感じて、ほとほと嫌になってしまったんですね。そこから心機一転、頑張ればよかったのかもしれませんが、芸歴が長くてプライドも高かったので、自分の置かれた状況を認められませんでした。 ── 「自分にガッカリしてしまった」という感じだったのでしょうか。
中武さん:そうでしたね。芸能界でのことは消し去って、これまでの人生をリセットしたい気持ちで、逃げるように引退し、その後、結婚したんです。相手は芸能界を辞めて友人の店を手伝っていたときに出会った男性でした。いまは離婚したので、元夫になりますが、10歳くらい年下で世代が少しずれていたので、私が『あっぱれ』などテレビに出ていたことも知らない人でした。だから、リセットするにはちょうどよかったんです。
■芸能界を引退した後悔「逃げる人生はその後もつらい」 ── 引退の裏には、そんな事情があったのですね。佳奈子さんは、タレントとして、どんなふうになりたかったのですか? 中武さん:後にイモトアヤコさんがバラエティ番組で世界を旅するコーナーを観て、「自分がなりたかったのは、こういうポジションだったんだな」と感じました。出演したことがある『ウルルン』で秘境ロケに行くことが多く、自分に向いていると思っていたんです。皆さんを笑顔にできるようなタレントになりたかったのですが、結局、逃げてしまった。プライドを捨てて、踏ん張ればよかったんですよね。