幼児教育にAI「しまじろう」導入、親の本音は? 強力IPだからこそ実現した“無機質さ”と一線画す“温かみ”
先日、生成AIを巡り、著作権侵害について一定の考え方を検討する文化審議会の小委員会が開かれました。各分野での活用が進む一方で、安全性に対する懸念も上がっています。そうしたなか、ベネッセは生成AIを搭載した幼児向け会話型新サービス・AI「しまじろう」をスタートさせます。「しまじろうに命を吹き込み“らしさ”を再現した」と言うように、35年愛され続けるIPとして強みを活かしたAI「しまじろう」は、これまでの機械的で無機質な生成AIとは一線を画す温かみがあります。親子体験会に参加した京都在住の中山さんと埼玉県在住の天海さんに、子どもが生成AIと会話をする様子を見て感じたことや、幼児教育活用への不安や未来について聞きました。 【写真】大人も欲しくなる…愛らしいAI「しまじろう」 おもちゃ屋さんごっごや連想ゲームも! ◆幼児教育の知見を活かし、“言葉の豊かさ”を育む手助けをAI「しまじろう」が担う ベネッセの0~6歳の子を持つ保護者調査(2023年)によると、直近5年でワーキングマザーの割合が18%増加し、共働き世帯の増加により「忙しく子と十分に関わり切れない」という課題を抱えています。子どもに身につけさせたい力として、「生活習慣」に次いで「言葉による伝え合い」が高く、忙しい中でも「コミュニケーション能力を高めたい」「基礎学力、英語の力をつけたい」といったニーズがありました。 そうしたなか、今回の幼児向け生成AIサービス開発の背景を、ベネッセホールディングス専務執行役員CDXOの橋本英和さんはこう語ります。 「“変化の激しい未来”を生きる子どもたちにとって、『コミュニケーション力』『主体性・発信力』『課題解決力』といった資質が、これまで以上に必要になると考えられています。そうした資質の基盤となる『言葉の豊かさ』を育むために、『こどもちゃれんじ』で培った35年にわたる幼児教育の知見を活かし、生成AIを活用したサービスの開発を検討していました」 ベネッセの幼児教育のノウハウと、ロボットのPepper(ペッパー)で知られるソフトバンクロボティクスの「生成AIの活用知見」を活かし、共同開発したのがAI「しまじろう」です。 「質問すること自体が難しい幼児に、生成AI側から話しかけるシステムを導入しています。3~4歳の幼児に知っておいてほしい言葉がデータに入っています。そこから生成AIが、日々の良い習慣になりそうな言葉を織り交ぜて、積極的に話しかける。飽きずに毎日使い続けてもらうために、日常会話だけでなく、歌や読み聞かせ、言葉遊びもたくさん取り入れています」(ソフトバンクロボティクス取締役CMOマーケティング統括担当 蓮実一隆さん)