鹿沼市・南摩ダムの本体工事ほぼ完了 安全性を確認する「試験湛水」スタート
とちぎテレビ
鹿沼市で建設が進められている、南摩ダムの工事が大詰めを迎えています。ダムの本体がほぼ完成したことから8日、水を貯めてダムの安全性を確認する試験湛水が始まりました。 南摩ダムの試験湛水は、ダムの本体工事がほぼ完了したことから、工事の間、南摩川の水を迂回して流していた仮の排水路を閉じることで、ダムに水を貯めて本体や貯水池周辺の安全性を確認するために行います。 8日は水資源機構思川開発建設所の長谷見智久所長ら職員と、工事関係者などおよそ80人が見守る中、職員の合図で仮の排水路の閉塞ゲートが下降しました。閉塞ゲートは高さ5.1メートル、幅4.2メートルの鉄製で、クレーンでおよそ10分をかけて仮の排水路の入り口を閉じました。 ダムの安全性を確かめるため、今後2026年度まで、高さおよそ80メートルのダムの最高の水位まで水を貯めたあと、およそ25メートルの最低の水位まで減らす試験を行います。 南摩ダムは、思川開発の中核となるもので、洪水被害の軽減や利水などを目的に1969年に実施計画調査がスタートしました。その後、計画の変更や検証を経て、2020年12月にダムの本体工事に着手して、2025年3月に完成する予定です。 ダムの高さは86.5メートルで、総貯水量は5100万立方メートル、岩石を主な材料としてつくられるロックフィルダムで、貯水池側をコンクリートで覆い水漏れを防いでいる本格的なダムは、国内で初めてになります。 建設に当たっては、水没予定地のこの地区に住むおよそ80世帯300人が移転しています。
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