【東スポ杯2歳S】クロワデュノールはまだまだ完調手前での無傷重賞V あの名馬と重なる背景が…
[GⅡ東京スポーツ杯2歳ステークス=2024年11月16日(土曜)2歳、東京競馬場・芝1800メートル] 16日に東京競馬場で行われたGⅡ東京スポーツ杯2歳ステークスは、北村友騎乗で3番手からレースを進めた1番人気クロデュノール(牡・斉藤崇)が快勝。デビュー2戦目で無傷の重賞制覇を決めた。3/4馬身差の2着は3番人気のサトノシャイニング。勝ちタイムは1分46秒7(良)。
見た目は快勝でも鞍上は…
センスの良さが光った。抜群のスタートから、道中は好位の3番手を確保。スムーズに折り合うと、4コーナーでは早くも2番手へと進出する。最後の直線に向くと、鞍上のアクションに応えて力強い伸び脚を披露。逃げ粘るサトノシャイニングを3/4馬身かわしてフィニッシュした。 見た目には全く危なげのない勝利。しかし、鞍上の感触は少々違った。北村友は「ここに出走するにあたって、100点満点ではないと思っていました。レース自体は折り合いがつきましたが、返し馬ではハミに頼ってのっかるようなところがありましたし、体重が増えた分、少しハミに頼っていた感じもします」と完調手前だったことを明言する。だからこそ、Vの価値は高い。「そんな中でもしっかりと強い競馬で勝ち切ってくれましたし、この馬のポテンシャルを感じました」と相棒の能力をたたえた。 「きょうのこの感じでこういう競馬ができたので、次はもうちょっと体も楽になって、操縦性も良くなってくれると思っています」と鞍上は次走での上積みを保証する。管理する斉藤崇調教師はバーレーン遠征のため不在で、サンデーレーシングの吉田俊介代表も次走について明言はしなかったが「力はある馬ですからね。久しぶりのレースを使って、今後いい方向に向かってくれたら」と笑顔だった。 東スポ杯は、昨年までの優勝馬28頭のうち半数にあたる14頭がGⅠ馬に輝いた出世レース(他に障害GⅠ馬も2頭)。キタサンブラック産駒で2戦2勝でのVとなると、いやがうえにも3年前の覇者イクイノックスの姿が重なる。計り知れない伸びしろを残したまま登竜門を制したクロワデュノールの未来は、果てしなく明るい。
東スポ競馬編集部