【タイ】台東区、中小支援で商談会とテスト販売実施
東京都台東区は、朝日信用金庫(東京都台東区)と連携して中小企業の海外進出を支援する商談会とテストマーケティングをタイの首都バンコクで実施した。台東区内の企業を中心とした15社が、和菓子や生活雑貨など約40種類の商品をアピールする。 テストマーケティングは、5~29日まで総合ディスカウントストア「ドンキモールトンロー」で開催する。1階に販売所や縁日を模した特設ブースを設置した。3階では毎週土曜日にかき氷作りや伝統技法「木目込み」などが体験できるワークショップを実施する。 テストマーケティング前には、現地とオンラインのハイブリッド形式の商談会を開催。バイヤーとなるタイ企業23社が参加し、64件の商談が2日間にわたり実施された。 明治元年創業のきり箱製造老舗、箱義桐箱店の戸張茂義代表は、「近年、日本の高い技術力で作られたきり箱の需要がタイでも高まっている」と話す。気密性が高く、ジュエリーなどの保存に適しているため、タイでは金(きん)や仏像のお守り入れとしての価値を訴求するなど、販路拡大に向けた戦略を展開している。 「Peylaa(ペーラー)」ブランドとしてディフューザーなどの生活用品を展開するタイ企業のマッカラー・インターナショナル・トレーディングは、商談会への参加を通じて、日本の工芸品は品質が高いが、価格面でタイ人に受け入れられるためには工夫が必要だと指摘した。同社の担当者は、「工芸品の優れた特性はもちろん、文化的背景などを紹介することで価格に見合った価値を消費者に届けることができる。しかし、タイ市場で広い顧客層に受け入れられるためには、擦り合わせも必要だ」と話した。 台東区の産業振興課の生島健太郎係長はNNAに対し、「台東区は浅草寺やアメ横など有名な観光地があるが、外国人の間で区としての知名度は高くない」とコメント。「江戸文化発祥の町として栄えた台東区が誇る職人技の工芸品などのPRを支援するのは今年で2回目。試行錯誤を重ね、今後も行政として中小企業支援をしていくとともに地域の魅力を海外に発信していきたい」と語った。