【高校サッカー選手権】急遽、ゴールマウスを任された勝利の立役者GK新津蒼太の目から大粒の涙 「牧野、勝ったぞ、次に繋げたぞ!」
第103回全国高校サッカー選手権長野予選の準々決勝が10月26日に県内の2会場で開催され、松本平広域公園アルウィン芝生グラウンドで行われた第1試合では、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)長野予選でベスト4に進出した長野日大と上田西が対戦。2-0で上田西が勝利を収めベスト4進出を果たした。 【フォトギャラリー】長野日大 vs 上田西 上田西は開始直後から「球際・声・ハードワーク」で全員で走り、長野日大を圧倒。しかし、前半に得意のセットプレーから2得点するも、その後、後半に入り追加点を奪えずにいると逆に長野日大に押し込まれる時間帯が続く。 そんななか、チームのピンチを救ったのはこの日、体調不良で欠場となった正GK牧野長太郎(3年)に代わり、急遽、ゴールマウスを任されたGK12新津蒼太(3年)だった。65分、新津は長野日大のFW10眞鍋顕伸(3年)の左足の強烈なシュートをビックセーブ。直後の66分、ゴール正面からのFKも冷静な判断でしっかりと抑え、チームをベスト4に導いた。 苫田玲央GKコーチは「牧野は1年の時からトップチームにいて、新津は3年生になりやっとトップチームに入ってきた選手。苦しんでいた選手だったけど、人間性は抜群でチームにとってずっと欠かせない存在だった」と称え、新津の活躍に目を潤ませた。 「牧野の気持ちを汲み取って大きなプレッシャーを背負って戦ったんですけど、最後は安心と喜びの感情が出ました。牧野には『勝ったぞ、次に繋げたぞ』と伝えられます。ここで一つ自信になったので、次も出る気持ちでチームを全国に連れていけるようなGKになりたいと思います」(新津) 試合終了の瞬間、肩を震わせ、大粒の涙を流す勝利の立役者の姿が、この大一番で背負った重圧を物語っていた。 (文・写真=古部亮)