テイラー・スウィフトはなぜスパンコールで勝負? ファッション成長力も規格外
連載《ニュースなルック》
歌姫と呼ばれるアーティストはあまたいるが、それはテイラー・スウィフトのことを言う。米「タイム」誌の表紙を何度も飾り、いまやテイラー・スウィフトはアメリカで社会現象になっていて、その人気ぶりは全米音楽界のトップに立つだけでなく、彼女の言動が次期大統領選にも大きな影響を与えるほどだ。ネットフリックスで放映されているテイラー・スウィフトの半生を描いたドキュメンタリー映画のタイトル『ミス・アメリカーナ』とは、まさに今の彼女そのものである。 【写真はこちら】「カレの試合に間に合った」喜びの2ショット、グラミー賞での王道ドレスもチェック!
2023年にスタートした世界ツアー「ジ・エラズ・ツアー」は、史上初めて興行収入10億ドルを突破し、各地で記録的な経済効果をもたらした。2月7日から4日間、東京ドームで開催された日本公演も瞬く間にソールドアウト。来日直前には、グラミー賞で史上最多となる4度目の最優秀アルバム賞も受賞した。その受賞スピーチで次のアルバムを4月に発売することをサプライズ発表。かと思えば、日本公演を10日に終え、交際相手であるプロアメリカンフットボールリーグ(NFL)のトラビス・ケルシー選手が出場する11日の「スーパーボウル」を観戦するため、ラスベガスまで自家用ジェットで移動。試合に間に合うかが全米でニュースになり、在米日本大使館が声明まで出すことに。歌姫、テイラー・スウィフトの一挙一動に世界中が盛り上がっている。 とまぁ、そういった音楽やゴシップの情報は専門誌にまかせて、「ニュースなルック」では、テイラー・スウィフトの華麗なファッションスタイルについて考察してみたい。
■ステージ衣装、スパンコールで勝負
テイラー・スウィフトの勝負服といったら、スパンコールのステージ衣装である。世界で最もスパンコールのステージ衣装が似合うアーティストだ。ともすればスパンコールの服は、素材や着方によっては田舎くさいダサい服、安っぽくて、下品でセクシーなイメージになってしまう難しいファッションである。しかしテイラーが着ると健康的で、躍動感があって、音楽評論家の萩原健太氏いわく「しなやかな筋力」とネーミングされるほどだ。スパンコールがちりばめられたボディースーツとロングブーツを履いてアコースティックギターを抱えて歌うボーカルスタイルは、ぽっと出の流行歌手なんかじゃなく、まさしくアメリカの王道をいくシンガーソングライターそのものである。 なぜテイラー・スウィフトはスパンコールの服をステージ衣装で好んで着るのか。思うにそれは、テイラーの音楽のルーツがカントリーミュージックだからじゃないだろうか。アメリカ人にとってのカントリーミュージックは、日本人の演歌のようなものである。カントリーミュージシャンの衣装といえば、男性はカウボーイハットにウェスタンシャツにデニムにカウボーイブーツ。女性はスパンコールがちりばめられたフリンジのついたシャツやスエードのベストをまとったカウガールスタイルである。スパンコールのドレスにロングブーツといったカントリースタイルは、いってみれば着物みたいなもの。ミス・アメリカーナ、歌姫のテイラー・スウィフトが似合わないわけがない。 一方で、プライベートのテイラー・スウィフトは有名になればなるほど、歌姫としてキャリアを積めば積むほど、どんどんあか抜けて、私服はむちゃくちゃおしゃれを楽しんでいる。意外にも180cmという高い身長を生かしたスタイリッシュな着こなしは、レッドカーペットでのゴージャスで華やかなドレススタイルから、歴代の彼氏と一緒の時に見せるスポーティーでカジュアルなモードスタイルまで、ファッションでも話題に事欠かない。