「自民1強」熊本県内、どうなる参院選…? 知事選・衆院選で勝利の自民、準備着々 野党は幸山氏、小野氏に注目
2024年も熊本県内では自民党の「1強」が際立った。3月の知事選では木村敬氏を公明党と推薦して初当選を後押し。10月の衆院選は公認した県内4選挙区の現職が圧勝した。来年夏に控える参院選で、自公は再び勝利するのか、それとも野党が巻き返すのか。知事選、衆院選で落選した政治家の動向も絡み、攻防は静かに始まっている。 知事選は、4期務めた蒲島郁夫氏の退任で16年ぶりに新しいリーダーが誕生する戦いになった。4人が立候補。副知事を務めた木村氏と元熊本市長の幸山政史氏が激しくぶつかった。 選挙戦序盤には、市長を3期務めた政治経験から「知名度では幸山氏有利」との見方もあった。立憲民主党をはじめ、野党の多くは幸山氏への「自主的支援」で足並みをそろえた。 木村氏は自公の推薦を得て、友好団体などが組織戦を展開した。「蒲島氏の後継者」のイメージも浸透させ、38万3千票余りを得た。3度目の知事挑戦となった幸山氏を退けた。
衆院選では、自公が全国で獲得できたのは全465議席のうち215議席。過半数に届かなかった。一方、県内4選挙区は自民が野党候補に比例復活も許さない完勝。現職4人が裏金事件の当事者でなかったことも功を奏した。 ただ、自民の県内の比例獲得票は前回衆院選から8万2千票落ち込んだ。選挙区で候補者をすみ分けて連携した立民、共産党、社民党も伸び悩んだ。反自民票は国民民主党や、れいわ新選組にも分散した。 来年夏の参院選は、国政の行方を大きく左右する戦いとなる。熊本選挙区は勝敗の鍵を握る全国32の改選1人区の一つだ。 自民県連は3選を目指す現職、馬場成志氏の支援態勢を着々と整える。今月10日に選挙対策本部を設置。前川收会長は「必ず勝たねばならない選挙だ」とハッパを掛けた。 野党の関係者が注目するのは幸山氏の動きだ。8月に政治団体「くまもとVOICE」を設立。今月7日には設立記念シンポジウムを熊本市内で開いた。