【巨人】オドーア電撃退団も逆にV奪回への追い風に? 注目集める阿部監督のチーム操縦術
開幕直前の巨人に激震が走った。巨人は3月26日、ルーグネッド・オドーア(前パドレス)が、退団することを発表した。 【動画】右ストレートが相手選手に炸裂! オドーアの衝撃的な乱闘シーン メジャー通算178発砲のメジャーリーガーが加入するとあって、阿部慎之助監督を始め入団時から期待は高まっていたが、オープン戦打率は.176と低迷。期待された本塁打も0だった。 球団は「オドーア選手に対し、3月29日の開幕戦のメンバーから外れるためファームで調整するよう提案したところ、本人から米国に戻りたいと退団の申し出があったため、球団としても本人の意向を尊重して受け入れました」と説明。契約にも2軍落ちをさせないといった条項もなかったとされる。 シーズンでの活躍を期待していた助っ人が開幕を前に帰国するのは前代未聞の出来事。しかし、この突発的なアクシデントも現在のチームでは追い風になりそうだ。 オープン戦を通じてし烈な外野争いがくり広げられた。当初右翼を想定していたオドーアがいなくなったことで競争意識がより一層高まることが期待される。 オープン戦通じて好調だった松原聖弥は13試合に出場し、打率.320、今季2年目となる萩尾匡也はオープン戦で豪快なアーチをかけた。シュアな打撃が持ち味で6大学時代3冠王を獲ったバランスの良さが売りとなる。 ベテランも黙ってはいない。キャンプ2軍スタートながら合流初戦の13日のソフトバンクとのオープン戦ではいきなりアーチをかけ"一発回答"で指揮官をうならせた梶谷隆幸。29日の開幕投手を務める阪神・青柳晃洋とは通算成績25打数13安打、打率.520と相性の良さを示しており、開幕スタメンも視野に入れる。 さらにここにぎりぎりで開幕1軍にすべりこんだ昨年のドラフト1位、浅野翔吾とまさに多士済々の顔ぶれとなっている。 何よりこの好循環を招いているのは阿部監督の「英断」にもありそうだ。キャンプ、オープン戦を通じて実力至上主義を徹底。昨年10本塁打をマークし、ブレイクの兆しが見えてきた新55番・秋広優人も「結果が出ていない」という理由で、開幕2軍スタートが決定した。 鳴り物入りの新助っ人においても、公平にジャッジを下した。仮にここで結果が出ていなくとも開幕スタメンの座を渡すようであれば、不協和音にもつながりかねなかったが、断固とした姿勢を示したことで逆に選手間の士気も高まりそうだ。 さあ、いよいよ開幕。球団創設90周年の節目の年。4季ぶりのV奪回を果たせるか。青年監督の挑戦に期待したい。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]