救命救急センターきょう誕生 三重・松阪中央総合病院に
3次救急、津・東紀州までカバー
三重県松阪市川井町のJA三重厚生連松阪中央総合病院（田端正己院長、440床）で9月30日午後1時半から、救命救急センター開所記念式典が開かれた。北館1階の従来の救急センター入り口には新たに「救命救急センター」と表示され、田端院長と谷口俊二JA厚生連会長、伊藤正明三重大学学長、竹上真人市長らがテープカットを行った。10月1日から救命救急センターを開設、これまで通り松阪・東紀州地区の2次救急医療を担いながら、津市から東紀州地区にかけての3次救急にも対応する。 北館は2021（令和3）年10月に完成し、5階建ての1階には救急センター、3階には高度急性期・救急病棟20床と、3次救急の要件でもあるICU（集中治療室）6床が整備された。 式典で田端院長（63）は「当院は開設以来、がん診療と救急医療を2本柱として急性期医療に取り組んできた。2021年10月には5階建ての北館を増築。その際にさらなる救急の充実を図り、1階は全てを救急外来とし、3階には20床の救急病床を設けた。救急病棟に隣接してICU6床を整備。この時から救命救急センターの指定が悲願だった」と振り返った。 3年前の北館の竣工（しゅんこう）式にも参列した伊藤学長（69）は祝辞で「1階が救急の外来で、3階が病棟もあって、ドクターカーもバンと置いてあって『やる気だなあ』と思った。3年たって建物のみならず機能的に救急体制が充実され、きょうにつながったと思う」と語った。 祝辞で竹上市長は「かっこいい言い方をするとER（英語で救急外来の意）ですからね、それが始まるということ。このセンターが松阪市だけでなく、東紀州地域も含めた皆さんの命を守るセンターになることを期待する」と述べ、平岡直人松阪地区医師会会長（63）は「2次救急のことを維持しながら、さらに前へ進められるということで、非常に大変なところを田端院長はご決断なさった」とたたえた。 式典にはJA厚生連から新貝春紀代表理事理事長、同病院から谷川高士救急担当副院長、星野有集中治療センター長、谷口健太郎救命救急センター長、県から松浦元哉医療保険部長、同大学から鈴木圭高度救命救急センター教授、市議会から中島清晴議長、松阪地区広域消防組合から松本芳昭消防長、さらに病院職員約40人が列席。 テープカットは谷口会長、竹上市長、伊藤学長、新貝理事長、田端院長、松浦部長、平岡会長、中島議長、鈴木教授、松本消防長の10人で行った。
ドクターカー2台で広域消防と公開訓練
その後、救命救急センター入り口前で同病院の救急担当の医師、看護師、救急救命士、松阪地区広域消防組合の救急隊員らによるドクターカー公開訓練が行われた。従来のライトバン型のドクターカー（ラピッドカー）に加え、8月に購入し10月から配備される患者搬送型のドクターカーの2台で現場に急行、2人の重篤な患者の処置を行うという想定。 谷川副院長が「直近1年間では114件。最近徐々に増加傾向にあり、月当たり10件以上の運用をしています」とドクターカーの出動実績を紹介した上で、訓練で何が行われているか〝実況中継〟した。
