【ジャパンC】優勝馬の歴代最速上がりはジェンティルドンナの32.8 最強馬決定戦の「記録」を振り返る
三冠牝馬vs前年の年度代表馬が激突した2012年
1986年以降で勝ち馬の最速上がりは、2012年ジェンティルドンナが出した32.8。父のディープインパクトが繰り出した33.5を0.7秒も更新した。ディープインパクトの記録は今でも第2位であり、父子の凄まじさが改めて感じられる。 12年ジェンティルドンナは牝馬三冠を達成後、ジャパンCへと直行。圧倒的な走りを見せてきたジェンティルドンナだったが、その年のメンバーは非常にレベルが高く、1番人気は前年の年度代表馬オルフェーヴルに、2番人気もルーラーシップに譲り3番人気となった。直線ではオルフェーヴルと壮絶なデッドヒートを繰り広げ、最後はハナ差で勝利。同年の年度代表馬となった。 ちなみに馬券圏内に食い込んだ馬の歴代最速上がりは、同年の3着馬ルーラーシップの32.7。2番手はジェンティルドンナで3番手は同年オルフェーヴルの32.9と、この年の上位3頭が独占していることになる。 逆に最も上がりがかかった3着以内馬は、03年の2着馬ザッツザプレンティが出した38.0。この年は勝ち馬と2着馬の最大着差記録1.5秒(9馬身差)も併せて持っている。勝ち馬は6歳のタップダンスシチー。宝塚記念3着から放牧に出て、秋に京都大賞典1着を経て勝利した。また、1番人気シンボリクリスエスは3着、2番人気ネオユニヴァースは4着に敗れている。いずれも上がりは37秒台と、重馬場で勝ちタイム2:28.7だったことも含め、壮絶なレースだったことを物語っている。 今年はどのようなドラマが繰り広げられるのか。騎手や天候、馬場状態にも注目しつつ、世紀の一戦を楽しみたい。 ライタープロフィール 緒方きしん 競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
緒方きしん