XSR125から潜在能力を引き出す、3種のヨシムラサイクロンをテスト!!
3種のサイクロンに感じた、似て非なる資質
さて、ここからは3種のサイクロンの差異を説明したい。まず最もアグレッシブでワイルドな感触が味わえるのは、コンパクトな筒型サイレンサーのGP-MAGNUMである。峠道やサーキットでのスポーツライディングを重視するライダーの場合は、この製品との相性が一番よさそうだ。その一方でツーリング派には、昔ながらの雰囲気を現代の技術で再現したストレート762サイクロンが向いていると思う。シリーズ唯一の一体構造を採用したこの製品のフィーリングは、他2種と比べるとやや穏やで、田舎道を一定開度でマッタリ巡航するのが実に心地よかった。 では異形六角形断面サイレンサーのR-77Sはどうかと言うと、30cm定規に当てはめて、GP-MAGNUMを0cm、ストレート762サイクロンを30cmとするなら、5~10cmという雰囲気。そのキャラクターをどう感じるかは人それぞれで、いいとこ取りという好意的な解釈をする人がいれば、中途半端なイメージを抱く人もいそうだが……。 各製品の特長を述べた後にこんなことを言うのは、我ながらどうかと思うけれど、3種の差異はあえて言えばで、GP-MAGNUMでもツーリングは楽しめるし、ストレート762サイクロンでもスポーツライディングは堪能できる。だから僕としては、この3種はルックスで選んでもいいんじゃないかと思う。そしてその印象は、開発を担当したヨシムラの落合信介さんも同様のようだ。 「3種を同条件で比較すると、3者3様の特性と感じますが、ノーマルを比較対象にするなら、どの製品でも劇的な変化が味わえますからね。となるとルックスで選んでいただいても、後悔することはないと思います。ただし個人的に思い入れがあるのは、XSR125用として専用設計したストレート762サイクロンです。 GP-MAGNUMとR-77Sは、構造的に管径や管長の調整が比較的自由に行えるのですが、ストレート762サイクロンの場合は、後半部にφ76.2mmのパイプを使うことが決まっているし、昔ながらのスタイルを考えると管長を伸ばすわけにはいかないので、限られたスペースでどうやって理想の特性を実現するかで、かなりの試行錯誤が必要でした」
Webikeプラス編集部