山あいにポツンと“コンビニ”一度は閉店も現店長が脱サラして引き継ぐ「開いていてうれしいと言われて...ありがたいし頑張れる」
宣伝担当「のりちゃん」がインスタで紹介する大人気商品『豆いっぱい大福』
午前11時30分。ある女性が店に入ってきました。お昼間、店を手伝ってくれる従業員の鈴木紀子さんです。夕方まで、店は“のりちゃん”に任せ、中島さんとお母さんは休憩します。話し上手なのりちゃん、客と会話が弾みます。 (客)「(Q何を話していた?)美山のすばらしさを共感し合っていました。僕は奈良の天理から来ました。すごく自然も豊かでみんな感動しっぱなし」 (鈴木紀子さん)「ぜひまた来てください。私の友達も天理に住んでいる」 客との距離が近くなるのも田舎のコンビニならでは。のりちゃんは店の宣伝担当でもあります。おすすめの商品は『豆いっぱい大福(150円・税込み)』。4月は1か月間で1350個も売れたそうです。 (鈴木紀子さん)「『豆いっぱい大福』ということで、いったい豆が何個入っているのかということで、豆を取り除いて何個入っているのかを数える動画を撮影しました」 その様子は店のインスタグラムにアップ。ひとつひとつ豆をとって並べると、1つの大福から、なんと41個も。 (鈴木紀子さん)「この値段(150円・税込み)で41個入っているのはすごいなと感激しました。たまに仕事終わりにこそっと買って、(子どもの)お迎えに行く前にパクっと口にほおりこんで。夫にも内緒です」 午後3時30分。バイクに乗った2人の客が来店しました。のりちゃんおすすめの大福を手に取り、店の休憩スペースへ。ツーリングの時に何度か立ち寄ったことがあるということです。 (客)「(Qいつも大福を食べる?)大福は好きですね。ずっしりしておいしいんで。オートバイで来る時にちょっと寄らせてもらっていたんやけど、(店が)なくなってしまったんで、『あぁなくなったんや』と思って寂しかったんですけどね。きょう見たら復活しているんでよかったなと」
美山の風景にほれ込み「住むなら美山に」と移住を決めた琴美さん
午後4時。明るい声の女性が店にやってきました。 (鈴木紀子さん)「(Qこちらの女性は?)中島琴美さんです。店長さんの奥さんです」 夫が戻るまで店を手伝います。すると、店の外から琴美さんに手を振る男性がいます。琴美さんもすかさず男性に手を振り返しました。 (男性)「(Qいつも来られる?)最近ね。毎日くらい。コーヒーとかジュース、お弁当、大福」 (琴美さん)「だいたい冗談を言ってくれて、私ら笑わせてもらって。そして帰る感じです」 琴美さんは兵庫県出身。12年前、ひとりで美山に移住してきました。 (琴美さん)「いろんな田舎見たんですけど、ここは特別にきれいな、草刈もきれいにしてはるし、いい田舎やなと思って、住むならここの田舎と思って仕事を探して、家も探してここに住むことにして」 緑映える風景にほれ込んだ琴美さん。美山出身の夫・和行さんとはまちづくりを考える交流会で知り合い、結婚。地元の神社で式を挙げました。 (琴美さん)「美山のことは夫もすごく好きなので、そのためにコンビニも地域の人のためにと思ってやっている感じなので」 美山を愛する夫婦。琴美さんは4人の子どもを育てるママになりました。