特定外来のカミキリムシの脅威 食い荒らされた樹木、驚きの姿とは 奨励金やグッズを配布する自治体も
夏本番はもうすぐ。昆虫好きな子どもたちにとって、待ちに待ったシーズンが近づいています。この夏、お目当ての昆虫を探すなかで、見たことがない模様の体をしたカミキリムシを見つけたら? それは、日本の桜や梅の木々が脅威にさらされている外来生物・クビアカツヤカミキリかもしれません。 【写真】幼虫に食い荒らされた桜の木 フラスが大量発生した驚きの姿 実際の様子 ◇ ◇ ◇
茨城県では奨励金やグッズを用意! 桜や梅の木を枯らす外来生物の脅威
カミキリムシといえば、ぴょんと長く伸びた触覚が特徴的で、夏にカブトムシやクワガタムシなどと並んで採集できる、身近な甲虫類の昆虫のひとつ。よく見かけるのはゴマダラカミキリという種類ですが、桜や桃、梅の木を枯らしてしまう特定外来生物・クビアカツヤカミキリによる被害が近年、全国的に拡大しています。 日本では、2012年に愛知県で最初の被害が確認されて以降、2023年1月時点で、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、愛知県、三重県、大阪県、奈良県、和歌山県、徳島県、兵庫県の13都府県で本種の被害が確認されています(※)。
成虫の活動時期が6月から8月ということで、各自治体でも発見した際の対応などの呼びかけが始まっています。
被害がすでに確認されている茨城県では、小学生以上の県民を対象に「いばらきカミキリみっけ隊」を5月から広く募集開始しています。退治した成虫10匹を対象の市町村の窓口に持ち込むと、500円分のプリペイドカードによる奨励金と交換。さらに、1匹からでも限定グッズのプレゼントを用意しているといいます(※)。繁殖力の高い外来種による被害を、いち早く食い止めたい自治体の危機感がうかがえます。 ※茨城県による本取り組みは、特定外来生物・ツヤハダゴマダラカミキリも対象内です。
成虫の出現期間は6~8月 クビアカツヤカミキリの特徴と見つけ方
○特徴 【原産】 中国、朝鮮半島、ベトナムなど 【体長】 25~40ミリ程度 【特徴】 ・体は黒く光沢があり、前胸部(いわゆる“クビ”)は鮮やかな赤色をしている ・国内に似たカミキリムシはいない ・オスの触角の長さは体長の2倍程度で長い。メスの触角は体長と同程度 ・強い匂いを放つ