智之、下を向くな!【川口和久のスクリューボール】
波乱万丈のシーズンに
9月4日の中日戦、2回4失点で交代となった菅野/写真=大泉謙也
智之、焦るな。今はとにかく休め……いま会ったら、そう伝えたい。もちろん、巨人の菅野(菅野智之)だ。コーチ時代から、ずっと智之と呼んできたから、そう書かせてもらう。 巨人は昨年4年連続のV逸となり、チームだけじゃなく読売グループのすべてが「今年は優勝しかない!」と、原辰徳監督を復帰させ、丸佳浩ら大型補強もした。開幕から決して順風満帆ではなかったが、ひとまず、着々と優勝への秒読みを続けている。 俺は選手の中で、一番、重圧を感じながらプレーしていたのは、智之だったと思う。責任感の強い男だし、伯父さんが監督に戻り、優勝に向け、エースとして引っ張らなきゃという強い思いがあったはずだ。過去2年、素晴らしいピッチングをしていたから、それなりの自信もあったと思う。 だが、始まってみたら、まさに波乱万丈。9月4日の中日戦(前橋)では、ついに腰がパンクして2回で降板し、そのまま登録抹消になった。 伏線はあった。5月15日、阪神戦で10失点交代の後、登録抹消となったのは体調不良だったようだが、復帰後、6月23日のソフトバンク戦の2回途中腰痛での交代は深刻に見えた。その後も投げてはいたが、投げ方が少しずつ狂っていたからね。 プロは、いつも100%で投げられるわけじゃないが、智之はあちこちにガタが来て壊れる寸前だった。現状でできるピッチングをだましだましやっていたが、正直・・・
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週刊ベースボール