新興国株式、トランプ氏勝利でアンダーパフォーム=シティ
[15日 ロイター] - シティグループのアナリストは14日、米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受けて、新興国株式がグローバル株式をアンダーパフォームするとの見通しを示した。 トランプ氏の通商政策が世界経済の重しになると指摘。これに伴うドル高が新興国資産を一段と圧迫する可能性があるとの見方を示した。 サウジアラビアとインドは相対的に貿易リスクにさらされにくいとし、サウジの投資判断を「アンダーウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた。 ただ、インドについては、企業利益の伸び悩みと、中国の最近の政策支援を受けた海外勢の売り圧力を理由に「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げた。インドのNSE指数は2025年9月までに直近終値から約6%値上がりし2万5000に達する見通しという。 南アフリカの投資判断は「ニュートラル」から「オーバーウエート」に引き上げた。企業業績の伸びが魅力的で、中国の景気刺激策が追い風になる可能性があるとしている。 韓国の投資判断は企業利益の伸び悩みを理由に「アンダーウエート」に引き下げた。通商政策の不透明感が強まれば、韓国経済の重荷となり、対米輸出に悪影響が出る恐れがあるとしている。 ただ、韓国の総合株価指数は25年半ばまでに現在の水準から16%上昇し2800に達する可能性があると指摘。半導体部門の利益回復や中央銀行の利下げが25年後半にかけて指数をさらに下支えすると予想している。 MSCI新興国株価指数は25年半ばまでに現在の水準から約10%上昇し1210に達する見通し。投資判断は「ニュートラル」で維持した。