花粉症の薬のウソ・ホント「市販薬は効かない?」副作用や飲み方、耐性は? 症状ごとに医師が解説
■「症状出る前に飲んでもOK?」「慣れると強い薬が必要?」、医師が“迷信”に回答
一方、薬を飲み始めるのに適切な時期はあるのだろうか。すでに花粉症の症状が出てしまっている場合、もう手遅れということはないことを願いたいが…。 「症状が出てからでは遅すぎる、ということはありません。ただ当然、早くから治療するに越したことはない。症状が出る前から、『今年もくるぞ!』と考えて、先に薬を飲むのもOK。むしろ、症状が出る前から飲んだほうが効果が期待できます。ちなみに、すでに市販薬を飲んでいても処方薬に切り替えることに問題はありません。この薬の飲み合わせはよくない、ということはありません」 では、以前飲んでいた薬に体が慣れて効果を感じられにくくなり、どんどん強い薬にしなくてはいけなくなる、といったことは? 「それは迷信と思ったほうがいいですね。基本的に体が薬に慣れる、ということはありません。もし毎年同じものを飲み続けていても、安心して続けていただけます。逆に薬を減らしたい場合、少しずつ減らす方もいますが、花粉が飛ばなくなる6月になってスパッとやめても問題はありません。もしぶり返したら、また飲めばいいのです。誤った認識で身構えてしまったり、考えてしまうのはよろしくないと思います」 加納永将(かのうながまさ) クリニックフォア亀戸院院長。順天堂大学を卒業後、順天堂医院に勤務し、プライマリーケア領域を中心とした診療を行う。その後、離島の村医として、僻地医療や在宅医療に携わり、2023年にクリニックフォア亀戸院院長に就任。 (文:衣輪晋一)