ヒガンバナ猛暑で遅れ 小矢部・五郎丸、住民が植栽 開花まだ50~60本
●県内最大級13万本「赤い帯」 猛暑の影響で、石川県境に近い小矢部市五郎丸地区のヒガンバナの開花が例年より4日以上遅れる見通しとなった。富山県内最大級の約13万本が咲き誇る一帯は「ヒガンバナの里」として県内外から散策に訪れる人気スポットだが、彼岸入りの19日時点で開花は50~60本。住民は秋の訪れを告げる花がいつ咲くのか気をもんでいる。 住民が2001年から昨年までに町内のあぜ道やため池沿いの延長2・3キロに球根約2万7千球を植えた。町内を通る国道359号からもよく見え、ヒガンバナの「赤い帯」が楽しめる。 住民でつくる「彼岸花の里づくり委員会」によると、開花は地面の温度に左右されやすく、朝の最低気温が20度以下になる日を境に一斉に開花を始める。9月は高温の日が続いたため、つぼみが多く、「赤い帯」が途切れている。 今後、気温が下がる可能性もあるものの、委員会は現時点で咲き始め(開花2~3割)が22日、見頃(5~6割)が25日、ピーク(7~8割)が27日とみている。 五郎丸地区では近年、彼岸入り前の9月中旬から、ヒガンバナの開花状況を確認するため、地区を訪れる人が増えてきた。委員会は16日、「見頃は25日以降」と記した看板を急きょ設置する対応を取った。 今年は町内の市道5カ所に散策ポイントを伝える看板を新設し、界わいを巡りやすくした。町内会の渋谷太市区長(73)は「天候次第で仕方ない面もあるが、1日でも早く咲きそろってほしい」と語った。