スターウッドREIT、償還制限引き上げ-流動性ひっ迫に対応
(ブルームバーグ): 不動産投資信託(REIT)スターウッド・リアル・エステート・インカム・トラストは流動性維持に向け、償還制限を引き上げる。同REITはバリー・スターンリヒト氏率いるスターウッド・キャピタル・グループが運用し、資産は100億ドル(約1兆5700億円)。
米当局に23日提出された資料によると、SREITと呼ばれる同REITは月間償還上限を純資産総額(NAV)の0.33%、1四半期に1%とする。これまでは月間2%、1四半期5%までの引き出しが可能だった。
株主宛て書簡によれば、新たな償還制限は半年-1年続く可能性が高い。この制限が課されている間は運用手数料も引き下げられる。
スターンリヒト氏とSREITのショーン・ハリス最高経営責任者(CEO)は株主宛て書簡で、「取引規模が限られ市場が底値に近いとみられる状況や不動産市場が今後改善するとのわれわれの見方を踏まえ、受託者として不動産資産の積極的な売却を勧告できない」と表明した。
今回の動きは高めの金利の長期化が商業用不動産市場に打撃を与えていることを新たに示唆するものだ。SREITとブラックストーン・リアルエステート・インカム・トラスト(BREIT)などの競合REITは、投資家がより多くの償還を請求し始めた2022年下期に強い圧力を受け、解約制限の実施を迫られた経緯がある。
原題:Starwood REIT Tightens Redemption Limits on Liquidity Crunch (2)(抜粋)
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Patrick Clark