欧勝馬出気は朝青龍のコネで来日 “攻めのはたき込み”を可能にするレスリング仕込みの低体勢
【大相撲 人気力士丸わかり名鑑】#88 欧勝馬出気 (27歳・鳴門部屋・前頭14枚目) 【写真】貴景勝が元大関・北天佑の次女と婚約 4歳年上の元モデル ◇ ◇ ◇ 大相撲にはさまざまな決まり手があるが、「はたき込み」ほど物議を醸すものはない。 両の手のひらで相手を上からはたき付け、土俵に這わせるのが目的の技。相手が落ちなければ、懐に呼び込んでしまい、一転不利になるもろ刃の剣でもある。苦し紛れに出す力士もいれば、楽して勝とうとし、この手を多用する力士もいる。そのはたき込みを得意としているのが欧勝馬だ。 しこ名に欧州の「欧」が入っているが、これは元大関琴欧洲(現鳴戸親方)の弟子だから。モンゴルで生まれ育ち、元横綱朝青龍の紹介で、豊昇龍らと共に日体大柏高にレスリング留学した。 日体大に進学すると相撲に転向。1年次の全国学生選手権で3位といきなり結果を残し、その後も相撲部の主力として活躍。4年次に学生横綱となり、幕下15枚目格付け出しの資格を得て、鳴戸部屋に入門した。 これまで勝った相撲の約3割、30番以上がはたき込みという極端な力士。でも、引いてばかりの力士かといえば、そうではない。親方のひとりは「確かに以前は安易にはたき込もうとしていたが」と、こう続ける。 「プロ入り直後はケガが多く、本領を発揮できていなかったからです。彼の持ち味はレスリング仕込みの低い体勢。190センチの上背だが、上体を起こさず、頭をつけて圧力をかけながら絶妙なタイミングではたき込む。前に攻めて攻めてのはたき込みなので何も問題はありませんよ。ここ2、3場所はケガが癒えたのか、本来の相撲が出来ている。最近は突っ張りで相手の上体を起こす相撲も身に付けつつある。相撲センスは抜群なので、今後ますます伸びるのではないか」 相撲転向は間違いではなかったようだ。 ▼おうしょうま・でぎ ●本名はプレブスレン・デルゲルバヤル ●1997年、モンゴル・トブ県出身 ●190センチ、158キロ ●最高位は現在 ●昨年、部屋で後輩に暴力を振るっていると一部で報じられた