料理は「ラクじゃないわぁ」と思うけれど…神崎恵が紹介する“3人の息子のため”につくる毎日ご飯
自分が食べたいものが食べられるようなメニューを用意
──「好きではない」のに、こんなにもていねいで愛情たっぷりのお料理を作り続けられる秘訣を教えてください。 息子たちの食べる姿が私に元気と力をくれるからです。 それに、自分が作ったご飯を食べて目の前で一人の人間が成長していく姿を見るのは、やりがいと責任のようなものを両方感じるんです。 母親になってから24年が経ちますが、ご飯をおいしそうに食べてくれる息子たちを見ると、どんなに大変でも面倒でも、栄養面を考えながら、おいしくて息子たちが喜ぶものを食べさせてあげたいなぁと思え、頑張れてしまうんです。 ──朝ご飯も毎日お作りになっているのですね。 息子たちはそれぞれ学校や仕事に出かけるので、気持ちよく1日がスタートできるように、ご飯やパン、うどんなど、できるだけその日それぞれが食べたいものが食べられるようなメニューを用意しています。 私はジュースかスムージーで済ませてしまうことも多いのですが、満腹感がほしいときはバイタミックス(高機能ブレンダー)で、すっきりゴクゴク飲みたいときはコールドプレスジュース(低速回転で圧縮させるジュース)で、と工夫しています。 ──美容のためにも、やはり朝ご飯は必要でしょうか。 「私がスムージーを飲むことが多い」というだけで、「美容のために朝はスムージー」でなければならないということはまったくありません。 個人の体質や生活にもよるので、私は、大人世代は自分にあう良い朝食を選択することが大事だと思っています。 ですが、育ちざかりの息子たちには、毎日朝ご飯を食べてほしいなと思って作っています。
料理は女性だけの役割ではない
──お忙しい神崎さんですが、「お料理したくない」と思う日はありますか? そんな日はどうされているのですか? しょっちゅうありますよ(笑)。「食べる」って毎日続くことなので、深く考えちゃうとつらくなっちゃうんです。だから、自分がしんどくならないよう、自分のペースで続けていくことを大事にしています。 外食してもいいし、お惣菜やお弁当を買ってきてもいい。いまはUber Eatsも充実していますから、家でご飯を作らなくても困ることはないですよね。 そもそも料理は女性だけの役割ではないと思っています。日頃から息子たちへも伝えていますが、自分の食べるものは自分で作れたらいいし、将来もしパートナーと一緒に生活するなら、助け合って「おいしいご飯」を作ってほしい。「料理は女性がするもの」「女性は料理上手なほうがいい」という固定観念を変えられたらいいな、と思ったのも、今回この本を出すきっかけのひとつとなりました。 ──「料理は女性だけの役割ではない」というお言葉に勇気づけられます。 今は男性も女性もみんな忙しいですからね。できる人ができることをやればいいんです。「料理は苦手だけど、作ってみよう」と思う方は作ればいいし、「料理は苦手だから作らない」と思う方は、そう宣言してしまってもいいと思います。 私は、いつか私がいなくなったあと、息子たちが「母ちゃんの料理、おいしかったな」と思ってくれたらいいな、と思いながらキッチンに立っています。それに、食の進み方や食べ方で、言葉が無くても、息子たちの心具合や体調が分かるし、息子たちの食べる姿は私に元気をくれるんです。