長谷川博己に学んだ「楽しみながら」の姿勢 堀田真由、「若草物語」で勝ち気な次女役
「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」日本テレビ系 日曜午後10時30分 来年の春で俳優歴10年。その繊細な演技は見る者を魅了する。自身は共演者たちの背中から学びを深めている。今年の春にTBS系で放送した、「正義とは何か」を問いかけた連続ドラマ「アンチヒーロー」では、約5カ月の撮影の中で主演の長谷川博己のものづくりに対する姿勢が印象深かったという。 「役についてアイデアを出し、突き詰めることを楽しんでいらっしゃった。それによって、作品がさらに面白くなっていったんです」。現在、主演を務めている本作では、「主演という緊張感はあるのですが、長谷川さんに倣って『楽しみながら』を意識しています」と笑う。 米作家のルイザ・メイ・オルコットによる不朽の名作「若草物語」を原案にした本作。町田家の生真面目な長女の恵(仁村紗和)、がむしゃらな次女の涼(堀田)、おっとりとした三女の衿(長濱ねる)、したたかな四女の芽(畑芽育)による社会派シスターフッドコメディーで、仕事、夢、恋愛、結婚…、避けては通れない人生の難題にトライ&エラーを繰り返しながら、4姉妹が幸せを求める姿を描く。 涼は「恋も結婚もしない。一生、姉妹で暮らしたい」と願う脚本家の卵。結婚こそが女性の幸せと決めつける大御所脚本家の黒崎潤(生瀬勝久)に食ってかかるなど、恋愛至上主義の風潮にあらがっている。「自身にとっての幸せに恋愛は必要か」。その問いに「難しいですね…」と、しばし思案顔となり、「誰かと寄り添って生きていくということは選択肢としてあって、自分だけではなく、2人の、2つの価値観で人生を歩んでいけるという意味では、恋愛は人生を彩り豊かにすると思います」と静かに語る。 涼は勝ち気で口が達者。気持ちが高ぶったり激怒したりすると、話すスピードが増す。自身は言葉を選びながらゆっくりと話すため、なかなか演技が難しい。 「涼は頭の回転が速く、思ったことを瞬時に伝えることができる。〝絵〟で見せるというより会話劇。言葉で紡いでいく物語。テンポ感に気を付けています」 原案の「若草物語」が発表されたのは19世紀。「結婚だけが女性の幸せのゴール」が当たり前の時代に、「結婚だけが人生の全てではない」と投げかけた。