球界大御所が日ハム清宮の育成方法に警鐘「ハンカチ王子の二の舞にするな」
広岡氏は「清宮は即戦力で使えない」と繰り返し、逆に中田翔の復活に期待を寄せる。 「来季の日ハムのファーストは中田翔だろう。今年、結果が出なかったのは、いろんな要因があると思う。それらを取り除けば、この成績で終わる選手じゃない。その中田の実績を無視して清宮を使うようだと問題が起きる。清宮は、あせらずにじっくりと育てるべきだ」 今季の中田はWBCの後遺症もあって絶不調。腰痛などの怪我も重なり、打率.216、67打点、16本塁打の成績に終わった。FA資格を得たが、獲得に二の足を踏む球団がほとんどで“ラブコール”がなかったため、中田はFA宣言をしないままチーム残留を決めた。選手として過渡期にあることは確かだが、広岡氏は、説得力のある理由がない限り中田を外すべきではないという意見を持つ。 栗山監督は、この日、ファンフェスティバルで、来季の新キャプテンに中田を指名したことを発表した。中田も、ファンの前で「個人的にもチームも悔しいシーズンとなり、何かを変えたいと思った時に、この話を頂いて、今すごくやる気になっています」と、心境を明らかにした。 これは、広岡氏が不安視するように、清宮の起用法を巡って中田が不満分子になる危険性を事前に予防する手段なのか。キャプテンの立場ならば、いくら清宮が重宝されて、自分が外されることになっても、不協和音を生むわけにはいかないだろう。栗山監督が、そこまで深読みをして配した人事かどうかはわからないが、来春のキャンプから2018年のシーズンの話題を清宮がリードすることだけは間違いない。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)