7年ぶりの挑戦 第2部 大分/上 「勝つため「強力打線」を /大分
「打撃力をつけるのがチームの最大の目標。センバツで通用する力をつけられた」。足立駿主将(2年)は自信を見せる。 大分はセンバツ初出場だが、夏は2014年と16年の2回、出場を果たしている。しかし、ともに初戦敗退。「全国で勝つには打撃力が重要と感じた」(松尾篤監督)という。 新チームで取り組んだのは手首の強化だ。狙いは打球を鋭くすること。昨年11月から、バットを持ちながら手首を8の字や縦横に動かすことにより、手首を鍛えてきた。「ボールの上側をひっぱたくように打つことによってボールに回転をかけ、鋭い打球にする」(野田健二副部長)ためだ。 その効果が徐々に現れている。1番の足立主将は出塁率が高く、攻撃のリズムを作れる選手だ。昨年6月に骨折し一時入院。夏を棒に振ったが9月に復帰した。打球に鋭さが増し「確実にヒットを打ち、チームに勢いを付ける」。 4番を任された中尾拓士選手(同)は攻撃の要。手首強化で「飛距離が2割は伸びた」という。全国強豪校の剛腕を想定し、ピッチングマシンで150キロのボールを打ち返す練習を繰り返す。 「どの打順からでも攻勢に出るため」(松尾監督)、6番以降にも“主軸”を並べた。勝負強さが光る6番の小手川巧選手(同)は「どんな打球にでも対応できるのが自分の強みです」と心強い。帰宅後も、納得するフォームになるまで素振りを続けるのが日課だ。7番の飯塚和茂選手(同)は長打力があるが、昨秋の九州地区大会では11打席ノーヒット。迷ったり考えすぎてしまったりと、悪い癖が出てしまったという。「鍛えた体は裏切らない」。雪辱を果たすため、走り込みなど基礎的な練習を繰り返して闘志を燃やす。 「堅守」のイメージが強い大分の「打撃チーム」への脱皮。強化された打線で、まずは1勝、そして日本一を目指す。