徳島の寺がアートギャラリーに変身? 親しみやすい存在に、「しんそう」さん活動
徳島県鳴門市の寺をアートギャラリーとして活用することを目指すアーティストがいる。「しんそう」という名前で作品制作に励む神戸大大学院生山本真聡さん(23)=神戸市灘区=で、若い世代にも寺を親しみやすい存在にしようと活動している。(共同通信=永久泰地) 父親と伯父がそれぞれ鳴門市にある寺の住職だったことから、もともと仏教は身近にあった。3歳ごろから絵を描き始めるほど美術や芸術に興味があり、神戸大に進学して美学や美術史を学びながら、自身の作品を制作し続けていた。 主に人の顔を描いていたが、新型コロナウイルス禍の自粛期間中に文献で仏教史を学び、改めて仏教と向き合ったことが作風の転機に。信仰する人々や仏具といった宗教を演出する要素を題材に描くようになった。 作品を披露したいと思い、伯父が住職の潮明寺で多くの人が訪れる祭りが毎年6月に開かれることから昨年、本堂を利用して初めて展示を実施。堂内の広い空間や雰囲気と自身の作品との相性の良さなど、寺とアートの可能性を実感し、寺でギャラリーを開くという目標が明確になった。
現在は大学院に通いながら、父が住職の蓮花寺の本堂や境内をギャラリーとして活用することを目指している。「展示を通じて、年配の方や檀家のためのものという堅いイメージの寺を、若い世代にも開かれた空間にしたい」と笑顔を見せた。