工藤夕貴「人間不信に陥って日本を脱出」憧れのハリウッドでジャッキー・チェンと共演して学んだ「日本人とは」
今や日本を代表する国際派俳優としてその名を知られる工藤夕貴さん。アイドル活動から一転、海外での仕事に挑戦しようとしたいきさつや、ハリウッドの撮影現場でのお話を伺いました。 【画像】「初々しい」小学生時代の工藤夕貴さんや子役として活躍したデビュー当時の貴重な写真も(全20枚)
■アイドルでも俳優でもない自分に葛藤 ── スカウトされてデビューするやアイドルとして人気を集め、数々のドラマや映画など活躍の場を広げて行かれた工藤さんですが、海外に進出することになったきっかけを教えてください。 工藤さん:14歳の頃、方向性が見えなくて悩んだことがきっかけですね。歌手を目指して芸能界入りしたものの、歌手より俳優活動のほうが増えていったり、ヒットするだろうと思われていた曲の売り上げが伸び悩んでしまったりしていて。
また、当時のアイドルの演技はちょっと下手なほうがかわいいみたいな風潮があって、私は名前が売れる前は演技の仕事が中心で、最初から「本気の役者扱い」をされる現場で鍛えられてきたこともあり、真剣に一人の役者としてやってきたのに、よくも悪くもいつまで経っても「アイドル扱い」。つまりアイドルらしいアイドルではなかった私は現場が求めるアイドルとしての演技もできてなくて、とても中途半端で嫌だったんです。なんなんだろう自分はと。
── アイドルにも俳優にもなりきれず…といった苦悩がおありだったんですね。 工藤さん:さらにその頃、いろいろと辛いことが重なるんですけど、当時売れっ子のアイドル男性と共演したりすると嫌がらせの手紙が送られてきて怖い思いをしたり、地方で歌の仕事に行った際には生卵を投げつけられたこともあり精神的にショックなことが続きました。 しかも、デビューするときは「最高のアイドルになれる!」と、すごく褒められたのに、歌が売れなくなったら「あなたは生意気でしゃべりすぎる」とか、これまでそれがいいと言っていた大人たちが手のひらを返したように「だからそれがダメなんだよ」と言い始めて人間不信に…。