障害者の視点から街の不便を解決 ワークショップ開催【長野・松本市】
車椅子利用者や視覚障害者と一緒に街を歩くことで障害者にとっての不便を把握し、解決につなげようと松本市でワークショップが開かれました。 16日に開かれたワークショップ。会社員や学生など30人が参加し、グループに分かれて松本市を歩きます。そこに加わるのは、全盲や車椅子利用者など障害のある人です。 「リードユーザ」と呼ばれ、健常者に街歩きの中で感じる「不便」を伝えます。 こちらのグループでは生まれつき両足がなく車椅子で生活する佐野浩之さん(51)がリードユーザを務めました。 ■リードユーザ・佐野浩之さん 「水はけよくするために道路が傾いているが、ここの道路は急すぎますね、坂が。結構、つらい」 佐野さんは松葉杖を使うこともありますが… 「まだ車椅子はいい。だけど松葉杖で歩くと(この地面の素材は)雨の日だとめちゃくちゃ滑る。僕、何回か杖で滑って骨折している」 今回のインクルーシブデザインワークショップは、障害者が日常生活で感じる不便を把握し解決につなげようと県と県共生社会実現推進共同企業体が企画しました。 「インクルーシブデザイン」とは、企画や制作段階から障害者と一緒に検討し、すべての人にとって利用しやすく設計されたものやサービスのことで、誰にとっても生きやすい社会の実現を目指しています。 ■参加者(長野市から) 「意外と自分たちの見ている視点が、目線が高かったりするので車椅子を使われている方は目線が下なので今までこういった課題を自分たちでは見えなかったと感じた」 ■参加者(松本市内から) 「私も商品の開発に携わっているが、先入観で考えてしまうところがあって、常識でそうしようとしてしまうけど、それじゃ駄目なんだよというのをリードユーザとの話の中で気付きを与えられた。面白かった」 ■シューマート・霜田清 社長 「障害者の人たちに働き方の可能性を感じてもらう、我々企業も障害者を助けるのではなく、一緒に働くモデルを作っていけたらと思っている」