“裏金”逆風の中……岸田首相、9年ぶり「国賓」訪米の思惑 贈り物に込めたメッセージ【#みんなのギモン】
■首相「強固な日米同盟を世界に示す」
小野解説委員 「そういうことになります。首脳会談での最大の狙いは、防衛・安保面での強化を確認すること、自衛隊と在日アメリカ軍の指揮・統制機能の枠組みの向上を打ち出すことです。岸田首相は『強固な日米同盟を世界に示すよい機会になる』と話しています」 河出奈都美アナウンサー 「日本とアメリカの両国にとって、お互いが防衛や安保面で重要な存在であると考えている状況だと思います。国賓待遇となれば、それだけ日米関係強化をアピールする場も用意されているということなんでしょうか?」
■安倍首相にスタンディングオベーション
小野解説委員 「その1つが、岸田首相が連邦議会に赴いての演説です。9年前に当時の安倍首相が、日本の首相として初めて上下両院合同の会議で演説しました」 「安倍首相は『私たちの時代に女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはいけません』と英語で述べ、演説中にスタンディングオベーションが 10 回も起きました」 「この時、安倍首相を斜め後方から撮った写真を見てみましょう。(顔上げ拍手促す)(顔上げ、拍手促す、収まるのを待ち、)とわざわざ原稿に書いてあります。ピンクで印をつけるなど、入念に準備していました」 桐谷キャスター 「こんなに細かく書き込んで準備して、臨むものなんですね」
■英語でスピーチ…本番に向け入念に練習
小野解説委員 「岸田首相も意気込んでます。演説のテーマは『未来の世代に向けた日米関係』です。出発前、アメリカに駐在した歴代大使を官邸に呼び、演説などについても意見を求めていたということです」 「本番に向けて入念に英語スピーチの練習をしていたと、政府関係者は話しています」
■贈り物は輪島塗…色や意匠に注目
小野解説委員 「バイデン大統領夫妻への贈り物にも注目してみましょう。夫妻が受け取っているのは、輪島塗の珈琲(コーヒー)カップとボールペンです」 「地震で甚大な被害を受けた能登の伝統工芸品です。今回は、首相が輪島の若手職人らに依頼し、『ジョー』『ジル』と夫妻それぞれの名前を入れたオリジナルを作ってもらったそうです」 「カップは取っ手が付いていません。輪島塗は保温効果が抜群で、かつ外側が熱くならないため、熱々のコーヒーを入れても取っ手を付けずに素手で持てるのが特徴です。さらに、色合いにも着目してください」 桐谷キャスター 「濃いブルーでグラデーションになっていて、美しいですよね」 小野解説委員 「能登の夜の海をデザインして、グラデーションは地震からの夜明けを表現しているそうです。またカップにもボールペンにも、デザインに別のメッセージも込められています」 「ボールペンに描かれているのは、アメリカを象徴する鳥の白頭ワシです。もう1羽、日本文化の再生を象徴する鳳凰も描かれています。2 羽が仲良く舞っています。日米仲良く、ということです」 「カップのブルーにも意味があります。バイデン大統領とブルー、と言えば民主党のカラーです。岸田首相はちゃっかりとアピールするかもしれません」