下諏訪の慈雲寺で冬支度の雪つり 遅めの紅葉と競演 長野県
長野県下諏訪町東町中の慈雲寺(福田精裕住職)境内に植わる町天然記念物「天桂松」に今季も雪つりが施された。同寺の冬支度を知らせる風物詩だが、今年は例年より遅れている紅葉とも季節をまたいで競演。樹齢450年余りの松の緑やイチョウの黄葉、庭園のモミジなどが境内を彩っている。 天桂松は、同寺第十七世の天桂玄長禅師が植えたと伝わり、樹種はアカマツ。同寺は天文6年(1537年)に火災で焼失したが、当時の住職だった天桂玄長禅師に深く帰依していた武田信玄の援助で再興された。 同寺の雪つりは京都市の造園会社「植音」が30年余りにわたり手掛ける。10~14日にかけて作業を行った同社の奥田英貴社長(53)は「天桂松には樹齢千年まで生きてほしい。そのために庭師の伝統を伝えていきたい」と話した。 観光で訪れた岸一博さん・君子さん夫妻は「関東だと雪つりに縁がないので見ることができてよかった。松自体も素晴らしい。杉並木やコケの参道、石庭も立派ですね」と楽しんでいた。 福田住職(57)は「檀家さんが代々守り伝えてきたから地域の宝を私たちが享受できる。今度は次の世代へ伝えることに協力してもらえたら」と話した。