【背景】西武外野手の奥村光一が支配下登録 数日前に渡辺GM評した「6文字」が救世主の要件か
西武は9日、昨秋の育成ドラフト6位で入団した奥村光一外野手(24=BC群馬)と支配下選手契約を締結したと発表した。背番号は「75」となる。 【写真】パワーベルトを持参し入寮した奥村光一 チームの負けが込み、5月くらいから渡辺久信GM兼監督代行(58)の口から「救世主」との言葉が出るようになった。 新外国人選手じゃないとすれば誰だろう。思い当たる選手が1人いた。6月4日、渡辺GMにファームで好調な奥村のことを尋ねた。表情が少し変わった。 「奥村ね。アグレッシブだよね」 とはいえ、まさか4日後に支配下登録になるとは。奥村自身も5月21日に行ったインタビューで「この1年で2軍でコンスタントに成績を残して。やっぱりいい数字を残して上がるのがプロだと思うんで」と見通しを口にしていた。球団側の評価は、自身の想像以上に高かった。 決して大柄ではないものの筋肉で引き締まり、独特のテイクバックからのパンチ力は2軍でも目立った。大勢がいるグラウンドで、輪郭がくっきりと浮き出る選手。盗塁企画数の多さや成功率の高さもあり、まさしく渡辺GMが言うところの「アグレッシブ」を体現する選手といえる。 西武は22年から入団テストを再開した。奥村は初年度、不合格になった。「モンテルの方が速かったんですよね」。そのモンテル外野手(24)が合格し、同年秋のドラフトで育成指名された。BCリーグ在籍3年目、奥村はそこから自身を追い込み、体脂肪率などの数値もグッと改善。23年秋、2度目の入団テストで受験者全体で1位の走力を示し、見事にNPBの合格キップを勝ち取った。 そしてモンテルよりも先に支配下登録されるあたり、この1年少々の勢いがすごい。渡辺GMの言葉から逆読みすれば、救世主になれる要件の1つが、すなわち今の西武1軍に足りないものが「アグレッシブ」なのだろう。【金子真仁】