猛烈批判!「セーヌ川での競技強行はギャンブルでありアスリートに無礼だった」パリ五輪トライアスロン出場のノルウェースター選手が帰国後“悪夢”レースを振り返る
パリ五輪で問題となったのがセーヌ川の水質問題だ。トライアスロンの男女個人、混合リレー、男女のマラソンスイミングの5種目が実施されたが、嘔吐する選手や、大腸菌による胃腸感染症を報告する選手が続出する最悪の事態となった。東京五輪の金メダリストでパリ五輪では個人12位、混合リレー11位に終わったノルウェースポーツ界のスター、クリスティアン・ブルンメンフェルト(30)が帰国後に地元メディア「ノルウェー・メソッド」のインタビューに答え「アスリートに対して無礼だった」と怒りを露わにしている。 【映像】NBAカリーの妻らがパリ五輪決勝後に会場外で現地警察とトラブった問題映像
セーヌ川の水質問題はパリ五輪に汚点を残した。 運営サイドは、連日、水質調査を実施し基準値をクリアできなかったため、トライアスロンの男女個人は延期されたが、1日の延期だけで7月31日に強行。1.5キロのスイムはセーヌ川を使って行われ、レース後、カナダの男子選手であるタイラー・ミスローチャックは10回も嘔吐。その様子がテレビの生中継で映し出されて世界に衝撃を与えた。 レース後には大腸菌による体調不良を訴える選手が続出。ベルギーの女子選手クレア・ミシェルは、ウイルス性感染症の下痢と嘔吐が続き、チームはセーヌ川の汚染水が選手に与える影響を考慮して8月5日の混合リレーを辞退。またその混合リレー後には、ポルトガルの男女の2選手が胃腸感染症を発症したことが発表された。 この問題について最初に発言したのはベルギーの男子選手マルテン・バンリールで、「もし選手の健康が優先されていたら、この大会はとっくの昔に別の場所に移されていただろう。私たちは人形劇の中の操り人形に過ぎない」と皮肉を込めて批判した。 そして東京五輪の金メダリストで、世界シリーズの総合優勝や、世界新記録を樹立したこともあるノルウェースポーツ界のスターであるブルンメンフェルトが、帰国後、地元メディアに今回のセーヌ川問題について改めて口を開いた。 「トライアスロンレースで、大会の運営サイドは、水をどう綺麗に保つかという問題をまったく制御できませんでした。水質検査に関しては、コントロールが効いていたかもしれませんが、はじめの2回のスイム公式練習が、水質悪化でキャンセルされ、その後、レースが延期された。その後、さらに公式練習が2つキャンセルされ、マラソンスイミングの公式練習もキャンセルされたと思います」 今大会では、連日、水質検査が実施され、レースが強行された4日間については、すべて基準値をクリアして「良好」という検査結果が発表されていた。 個人、混合リレーの2種目に出場してセーヌ川を2度泳いだブルンメンフェルトは、さらにこう続けた。 「彼ら(パリ五輪組織委員会)がトライアスロンとマラソンスイミングをセーヌ川で開催すると決めたとき、彼らは、会場をコントロールするだろうと思っていました。しかし、それはただのギャンブルでした。そんな場所で、アスリートのためのイベントを行うのは、ある意味、無礼なことです」 そう厳しく非難した。
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