クリームソーダやホットケーキを昭和元年建築の洋館でいただく…すべてが「昭和レトロ」なカフェ・ポツリ
昭和が続いているとすると、2025年は「昭和100年」に当たる。人とのつながりが密で、ものを大切にしていたあの頃。平成、令和にかけて、ふるさと鹿児島で今なお愛される建造物や老舗を探した。 【写真】元診療所を活用したカフェと雑貨「poturi」=南さつま市加世田武田
◇ 武家屋敷が並ぶ鹿児島県南さつま市加世田・麓地区の一角に、白いモダンな洋館がすっと建っている。昭和元年の1926年に開業したという元診療所を活用したカフェと雑貨「poturi」(ポツリ)だ。2008年12月の開店以来、レトロな雰囲気と優しい昭和の味わいがゲストを魅了する。 鹿児島市で同名カフェを営んでいた東修さん(54)が気に入り移住。妻聖子さんと切り盛りする。建物は09年に国の登録有形文化財、一帯は19年に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された。東さんは「まちのシンボルだった建物。住民が大事に見守ってくれている」と感謝する。「昭和は人のつながりがより深かった。そんな時代の良さや懐かしさを残したカフェでくつろいでもらえれば」 「すごーい」。加世田高校2年の4人は、一番人気のホットケーキあんバターとクリームソーダに目を見張った。平成生まれの高校生たちが持つ昭和のイメージとは。蜜澤由栞さんは「あたたかい感じ」と表現する。「失われるのは寂しい。平成、令和世代の私たちが融合できれば」と話す。はじける笑顔で4人は昭和感たっぷりの飲み物とおやつを口にした。
〈企画連載「昭和100年ふるさとのレトロ」②〉
南日本新聞 | 鹿児島
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