【2カ月連続で前年実績超え】2024年10月期の新車販売台数 軽自動車は消費が一巡か
10月期の動きを分析
10月期の新車販売の動向に関して業界団体の関係者は、「10月の新車販売は、ヤリス・クロスなど3車種の販売を再開するとともに、人気車の受注残の改善を図っているトヨタ自動車が登録車で3カ月ぶりのプラスを達成したこともあって、新型コロナウイルス感染拡大前の40万台レベルにまで回復した。 前月は台風10号および大雨被害の影響によってディーラーへの客足が伸びず、さらに流通網にも支障が出たため、一部の登録車の販売が10月に先延ばしされたことも、今月の販売台数の伸びにつながっているようだ。 一方、軽自動車はリバウンド消費が完全に一巡したと見られ、新型スペーシアが販売成績を押し上げたスズキと、デリカミニなどの販売が堅調な三菱自動車を除いて、多くのブランドで苦戦が続いている」と指摘する。 今後については、「新車の需要は新型車を中心に一定の水準を保っており、各ブランドも人気車の受注残の改善に注力していることから、新車販売は年末かけて堅調に推移するものと思われる。 一方、従来よりも新型車の受注台数の伸びが鈍り、合わせて好調な販売を維持する期間が短い車種が増えていることは不安要素。実質賃金が物価上昇に追いついていないことから個人消費の弱さが目立っていることも、新車販売にとってはマイナスに作用するだろう」と示唆した。
大貫直次郎(執筆) AUTOCAR JAPAN(編集)