珠洲から避難の2人が結婚式 つらい時期に…悩んだ末の決断 「皆さまが温かい言葉で背中を押してくれた」 ふるさとに必ず戻ると心に決めて【能登半島地震】
2月10日、大阪市内の結婚式場。 この日行われたのは、地震で変わってしまった、大好きな「ふるさと」を想う結婚式でした。 ■【動画で見る】石川・珠洲市から避難中の結婚式 20代夫婦が想う「ふるさと」 “珠洲の温かさ”を感じる式に
■2人の夢を支えてくれた珠洲の街の温かさ
2023年8月に入籍した、大阪市出身の秋房大介さん(27)と、石川県・珠洲市出身の和佳奈さん(23)は能登半島地震を受けて、大介さんの実家に避難しています。 料理人の2人の出会いは、兵庫県芦屋市のレストランでした。 「いつか自分たちだけの店を持ちたい」という夢をもって、2023年2月、珠洲市に移住し、美しい海をのぞむ観光地の一角で、地元の素材をいかした弁当店「TORITO-N(トリトン)」をオープンしました。 手探りで夢へと向かっていく2人を支えてくれたのは、珠洲の街の「温かさ」だったといいます。 【秋房和佳奈さん】「『買いに来たよ』ってイベント出展しても、わざわざ来てくれる方もいるし」 【秋房大介さん】「本当の第一印象は、星がきれい。その次に、大阪じゃ考えられないほどの人の付き合い。人が優しい。ご近所の付き合いが家族みたいな濃い付き合いで、そこはすごいなって思っている」
■地震で変わってしまった大好きなふるさと
そんな中。2024年1月、能登半島地震が発生。 大好きだった珠洲の街は、大きく変わってしまいました。 【和佳奈さん】「ここに自分がおったんやって思います。地震の揺れているときの映像みたら。実感がだんだん薄れてきていたけど、ここにおったって考えたら怖いなって」
珠洲には、長年レストランを営んできた、和佳奈さんの両親がいます。 お弁当の仕込みなどでサポートしてくれていた両親の店でも、自慢のピザを焼く窯が壊れ、営業再開のめどはたっていません。 【和佳奈さんの母・兼盛美和さん】「『こなピザ(ノリのピザ)』・・・、海が隆起したから海苔が取れなくなってしまって。多分ことし分はもうないね」 【和佳奈さんの父・兼盛康寛さん】「不安だらけですよね。どれだけ珠洲の人が残るのか、観光客がどれだけ来てくれるか、復興してもそこがやっぱり、どうなるんかなって」 街の復興のきざしは、まだ見えません。 知人の中には、亡くなった人もいます。