“悪質ないじめ” 亡くなった高校生の命日に元上級生を提訴、母親の思いは…
日テレNEWS NNN
17歳の若さで自ら命を絶った高校生の侑大さん。剣道部で上級生から悪質ないじめを受けていたということですが、母親が侑大さんの命日に損害賠償を求めて提訴したことを明らかにしました。 ◇ 侑大さんの母親(13日) 「謝罪をしていただいたところで侑大は戻ってきません。それでも犯した罪は認めていただき、自分の犯した罪は形として償っていただきたいと思い今回、提訴しました」 幼い頃から剣道が大好きだった侑大さん。東海大学付属福岡高校の2年生だった3年前、17歳の若さで自ら命を絶ちました。 その後の第三者委員会の調査で明らかになったのは、侑大さんが剣道部の上級生から受けていた悪質ないじめの数々でした。 侑大さんの母親 「侑大がされていたことを加害者自身も忘れないでいてほしいという思いがあって。3月10日というのは意味があるのかなと」 侑大さんの母親は10日、上級生4人に対し損害賠償を求める訴えを起こしました。この日は、侑大さんの命日でした。 訴えによると、侑大さんは剣道部に入部してわずか2か月の間に顔面に粘着テープを巻かれ両手を縛られるといった暴行や性的な被害を受け、その動画をSNSで拡散されるなど12件のいじめを継続的に受けたといいます。 侑大さんの母親 「侑大がされた行為は犯罪だと思っています。何も思わないんだろうかという怒りの方が強いです」 ◇ 10日の命日には、侑大さんの自宅に友人たちが集まっていました。 侑大さんの友人 「20歳になってみんなでお酒を飲みたいなと話していたけど、どうにもやり場がない気持ちですね」 ◇ 侑大さんが亡くなって約9か月後には、上級生たちから謝罪文が届いたといいますが、これまで直接の謝罪はないといいます。 侑大さんの母親(13日) 「同じような文面、若干違うんですけど、内容が似ている3~4行の文章が3枚送られてきていました。『不快な思いをさせたのなら申し訳ありませんでした』と。これが謝罪なのかと理解ができなかった」 友人たちとともに20歳の節目を迎えるはずでした。 侑大さんの母親 「加害者たちは3年間の部活動を終え、高校を卒業し、大学へ進学しています。そして社会に出て行こうとしています。(息子も)友達と一緒にお酒を飲みたかったと思います。私も侑大とお酒を飲みたかったです。ずっと楽しく笑って過ごしたかったです」
■苦しみや悩みを抱えていたら
有働由美子キャスター 「上級生と監督には、どうしてこうなったのか、きちんと向き合ってほしいと思いますが、今いじめを受けて苦しいという人をサポートするための取り組みがあります。『厚生労働省 まもろうよ こころ』で検索すると、電話・SNSなどの相談窓口を紹介しています。どうかあなたの苦しみや悩みを相談員に伝えてほしいと思います」