日本ヘビー級王座に降りかかった難題
そのあたりの事情を知ってかどうかわからないが、試合後、京太郎は「日本人とは、もういいでしょう。僕はk-1のときから対外国人用の練習しかしてきていないから。今後は東洋のベルトを狙っている。(マネージャーは)許してくれないでしょうが、個人的には日本タイトルは返上したい」とドッキリ発言をした。 ■経済的に厳しいヘビー級育成事情 JBCの森田事務局長に、その点を尋ねると「確かに4人では難しいですね。ランカーは10人は揃えたい。全国のジムにヘビー級選手の育成をお願いしてあるのだが……。ただ、藤本選手はヘビー級にないフットワークを使えるボクシングのできるチャンピオン。せっかく復活させたタイトルを、またストップさせる考えはない。すでにプロテストに合格したヘビー級選手が2人いるし、ミドル級の石田選手も転向を考えているとも聞いている。これから育てていかねばならない階級です」と歯切れが悪かった。 まだ、模索段階の元WBA暫定世界スーパーウエルター級王者の石田順裕のヘビー級転向を視野に入れておかねばならないのは苦しい。 日本での元祖ヘビー級ボクサーであるオケロ・ピーターを育て、竹原を去年からジムに所属させて面倒を見るなど日本でのヘビー級ボクサーの育成に昔から積極的だった緑ジムの松尾会長は「ヘビー級ボクサーを育てるには、日本にスパーリングパートナーがいないから問題は多いね。ボクシング経験がなくとも、背の高い選手を勧誘して育てていけば面白いけれど、そういう意図を理解して経済的にサポートしてくれるスポンサーなどがいないと育成も難しい。うちのジムには、190センチ近いバスケット選手が練習に来ていて面白いと思っているんだけどね。でも、昔のことを考えれば、日本人同士で、お客さんが楽しめるレベルでタイトル戦ができているんだから大きな進歩です。挑戦者は、ピーターのように外国人選手を日本のジム所属にするなど解決策はあるでしょう」と言った。