最近増えてきた電車の「コンセント付き車両」……バスの場合ってどうなってる?
乗客が利用する座席周りに、電源コンセントやUSBソケットが付いている公共交通機関が増えてきた。新幹線が良い例であるが、高速バスや路線バスでの個人向け電源事情はどうなっているだろうか? 【画像ギャラリー】もうすぐ必須設備に?コンセント付きの電車/バス(6枚) 文・写真:中山修一 (電車/バスの電源関連の写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBをご覧ください)
■ここ十数年で花開いた車内コンセント
地上を走る乗り物のうち、乗客向けのコンセントが付いた最も初期の例が、2000年頃の新幹線と言われる。 鉄道の車内サービスの一部として、本格的に組み込まれるようになったのは2010年代以降と、まだそれほど昔の話でもない。 コンセントを設置する目的は周知の通り、携帯電話やスマートフォン等々、バッテリーを積んだデバイスを誰もが持ち歩く時代へと変わり、移動中に充電できる設備を求める声が出てきたためだ。
■全く別の目的で用意されていた?
それより遙か前の時代にも、例えばブルートレインやエル特急など、長距離列車の車両にはコンセントがあった。ただし付いていた場所は洗面所だ。 なぜ洗面所だったのか?その車両が製造された昭和40~50年代当時、電気を通わせて動かす携帯型の道具自体が少なく、列車に長い時間乗っている際に乗客が使うものは、コンセントにプラグを挿して使う電気カミソリくらいだったようだ。 髭剃りなら洗顔歯磨き等と合わせ、普通は洗面所で済ませるだろうということで、コンセントが洗面所に取り付けられていたわけだ。
■高速バスのコンセント事情
鉄道ではコンセント付きがだんだん増えてきており、殊に新幹線では標準装備に近づくほどの、重要な車内サービスにまで上り詰めた。 では、鉄道車両に比べ車体が小柄で、サイズの分だけ電力供給量も限られていそうなバスのコンセント事情は最近どうなっているだろうか。 まずは高速バスであるが、こちらは乗車時間が長くなる路線が多々あり、スマートフォンのバッテリー切れ等に対応できるよう、座席周りにコンセントを設けた車両が結構投入されている。 高速バスの予約サイトを見ても、コンセントの有無を確認できる検索オプションが用意されていたりと、高速バスとコンセントは今や密接な間柄になっているようだ。