緑あざやかなコケに純白の花 「沙羅の花」が参拝者魅了 京都
平家物語の冒頭で「沙羅双樹(さらそうじゅ)の花の色」とうたわれたナツツバキを観賞する「沙羅の花を愛(め)でる会」が10日、妙心寺の塔頭(たっちゅう)・東林院(京都市右京区)で始まった。艶(あで)やかな緑のコケと、舞い落ちた純白の花のコントラストが参拝者を魅了している。23日まで。 【写真まとめ】「沙羅を愛でる会」が始まる 京都 釈迦(しゃか)が入滅時に横たわったとされる沙羅の木はインド原産の熱帯樹。国内では育たないため、平家物語が書かれた当時から、花の特徴が似たナツツバキが沙羅双樹と呼ばれていたという。 朝に咲いて夕方には多くが落ちてしまう花は、はかなさの象徴ともされてきた。そんな「一日花」に世の無常を重ね合わせ、命への感謝を思い起こしてほしいと毎年公開されている。 午前9時半~午後4時(入山は午後3時半まで)。抹茶と菓子付きで1600円、抹茶と菓子、精進料理付きで6100円。問い合わせは同院(075・463・1334)。【写真・文 山崎一輝】