夏の風物詩「鵜飼い」始まる 災害乗り越え、伝統継ぎ 福岡・朝倉
筑後川の夏の風物詩「鵜飼(うか)い」が20日、福岡県朝倉市の原鶴温泉で始まった。アユ漁解禁に合わせたもので、関係者らを招いた神事と実演があった。鵜飼いは9月1日まで続く。 【手際よく手縄を操る鵜匠】 この日は、鵜匠(うしょう)の臼井信郎さん(39)が舟に乗り込み、鵜を巧みに操りながらアユなどを捕らえた。関係者らは、近くを併走する屋形船から漁の様子を見守った。臼井さんは「楽しかった。鳥たちも川に出たかったと思う」と話した。 原鶴温泉は近年、豪雨災害で屋形船が流されたり、川底に土砂がたまって漁に出られなくなったりするなどの打撃を受けてきた。 昨年7月の大雨では、一部の旅館で厨房(ちゅうぼう)が浸水するなどした。この影響で昨年の操業日数は17日間、屋形船の利用客も約300人にとどまったという。 原鶴温泉旅館協同組合は、今年の屋形船の運航を原則、金・土・日曜とし、梅雨期間に当たる6月24日~7月11日は休業する。同組合の林恭一郎さん(49)は「鵜飼いを簡単に絶やすわけにはいかないと、最小限でも実現できる方法を模索した」と話した。【長岡健太郎】