五輪談合 電通元幹部が被告人質問で証言「検察は間違わないと言われた」
東京五輪・パラリンピックの大会運営事業を巡る談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)罪に問われた広告最大手「電通」元幹部の逸見晃治被告(56)の公判が24日、東京地裁(安永健次裁判長)で開かれた。逸見被告は逮捕前の任意聴取で東京地検の担当検事から「検察は絶対間違わないと言われた」などと証言した。 逸見被告は任意の段階では容疑を認めていたが、公判ではテスト大会の計画支援業務での談合は認める一方、本大会の運営業務などでの談合については否認している。 この日の被告人質問で逸見被告は、昨年2月に逮捕される前の任意での事情聴取の状況について証言。「検事から『調書はお前の話を書くのではなく、こちらの意見が書かれたものにサインするものだ』と言われた」と説明した。 また、この検事から大声で怒鳴られたり顔を近づけられて威圧されたりしたといい、「検察のエースの自分が調べているから、お前は絶対有罪」とも言われたとした。 一方、検察側は逸見被告が逮捕後の取り調べを担当した別の検事に対して「取り調べていただき、ありがたい」と話しており、被告が積極的に談合を認めていたなどと主張した。 逸見被告側は一連の公判で、逮捕前後の自身の供述の信用性や任意性については争っていない。