ラブドールに藍染め衣装着せ徳島阿波おどり空港にPR展示…県職員の発案理由とクビになった事情
美しい藍染めの着物を身にまとった「モデル」は、ラブドールだった。 高級ダッチワイフ「ラブドール」に地元産の藍染め衣装を着せ、PRに使ったとして、徳島県林業振興課の男性係長(46)が8日、懲戒免職処分となった。 【写真】男男男男男男男男男男男男男男の大家族についに女児誕生! 職員は観光政策課に在籍していた2017年7月、「阿波藍魅力発信事業」のPRイベントのため、成人用玩具のラブドールに阿波藍の着物を着用させ、1カ月間にわたって「徳島阿波おどり空港」のロビーに展示した。 昨年秋、外部からの指摘で、等身大人形のモデルがラブドールだったことが判明。マネキンのレンタルなら代金は1万3500円だったが、職員は上司に無断で委託業先のイベント会社にラブドールを42万4440円で購入させていた。職員は一部支払いを先送りして不適切な会計処理を行うなど、事実を隠蔽し、県に損害を与えたとして地方自治法違反などに認定された。 ■「これまでの藍染めのPRが地味だったので…」 職員は、マネキンではなく、ラブドールを使用した理由について、「アパレルなどの展示でラブドールが使われているのをネットで見た。これまでの藍染めのPRが地味だったので、ラブドールを活用すれば、より効果的だと思った。地味なイメージを払拭したかった。リアルなマネキンとして使った」と説明している。 県人事課の担当者がこう言う。 「職員本人の発案ですが、そもそも本人に成人用玩具という認識がなく、リアルなマネキンだと思っていたそうです。購入直前に成人用玩具だと分かり、まずいと思ったようですが、反対されるのではという思いもあったのでしょう。そのまま上司に報告せずにスケジュール通り、空港に展示した。評判は良かった? 少なくとも『成人用玩具ではないか』という指摘はなかったそうです」
ゆくゆくは廃棄処分に…
見学者からの苦情は一切なく、ラブドールはその後も東京ビッグサイトや藍製品のイベントのため、各地に派遣され、活躍した。 「使用されたのがマネキンではなく成人用玩具で、購入を隠蔽して県に損害を与え、事務手続きの不備も見つかった。それらを合わせて懲戒免職が相当と判断しました。本人が事業費を着服したとか、利益を得たという事実は確認されておりません」(前出の担当者) 職員は阿波藍の文化を将来に残すため、継続的にその魅力を世界に発信。パリで開かれたイベントでも、阿波藍をPRしていた。 県の聞き取りに対して職員は「業務が多忙だったというのは言い訳になるが、別の事業での支払いや契約手続き、ラブドールの使用など、職員として不適切な処理で反省している」と話している。 県は職員に9割、当時の上司だった課長に1割の「ラブドール代」を請求する方針。現在、倉庫で保管されているラブドールは、廃棄処分となる予定だという。 多くの観光客の目に留まり、今回の騒ぎでメディアでも盛んに報じられたことから、すでに元が取れるほど、「ラブドール効果」があったのではないか。