知的、精神障害がある人がホウレンソウ栽培 福祉事業所から社会的企業に…「月収」は7倍に
「活躍の場 増やす必要」
日本財団は、心身の不調や難病、ひきこもり、若年性認知症などのため様々な働きづらさのある人を「就労困難者」ととらえ、2018年に発表した調査で約600万人いると推計した。 社会的企業の普及を目指す団体「ソーシャルファームジャパン」の炭谷茂理事長(78)は「人手不足が深刻な中、就労の機会を得られなかった人たちが社会、経済の担い手として活躍できる場を増やす必要がある」と指摘。社会的企業は働くことに慣れていない人を雇うため、「生産性や競争力を高めるには時間がかかる。国や自治体には設立後3~5年は資金や販路開拓で支援し、社会的企業を育成してほしい」と話す。 ◆ソーシャルファーム= 就労の難しい人たちが一般社員と一緒に働き、市場で競争できる製品やサービスを提供する民間企業。1970年代にイタリアで始まり、欧州を中心に広まった。国内で明確な定義はないが、東京都は2019年12月に施行した条例で、「事業収入を主な財源とし、就労困難な人を全従業員の20%以上雇用」などと定めた。(2024年9月10日付の読売新聞朝刊に掲載された記事です)